涙の落ちる速度

nano.RIPE 涙の落ちる速度歌詞
1.ウェンディ

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

失くしたものはあたしの欠片 暗がりで迷子ね ココはどこ?
人形のようにカラダが重く どこへも進めない気がするの

ホンモノとかニセモノとかくだらないと思いながら今も
探してるの もうどこに隠れてるの 捕まえて

なあ ウェンディ あたしにも影を縫い付けてよ 高く飛べるように
夢の国には欲しいものがあるとあたしがあたしに囁くの ひどく

部屋の隅っこヒザを抱えて死んだふりをして待ってるの
人形のようにココロが渇く 何をしても薄っぺらなままで

ドアを叩く音が響く 耳の内で作り出したドラマ
ココにいるの もうどこを探してるの 見つけて

ねえ ウェンディ あたしにも影を縫い付けてよ 高く飛べるように
ホンモノになるその日が来るまではあたしはあたしを続けるよ

ねえ ウェンディ あたしなら飛べる? 羽根がなくても影さえあればさ
夢の国には届かなくてもいい あたしはあたしを追いかけてゆくの

ねえ ウェンディ


2.タキオン

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

ほんの少し近付いてまた遠ざかった 瞬く間に遥か先へ いや過去へ
ぼくが今向いているのは未来だっけ スピードなら光くらいザラに出るよ

その日の気分次第でぼくはシアワセを誓ったり
その日の気分次第できみを困らせるほど泣いたり

シアワセと泣くことはとてもよく似ているよ
いつかな そんな風に言ってくれたきみが好きなんだ

ほんの少し近付いてまた遠ざかった 瞬く間に遥か先へ いや過去へ
ぼくが今向いているのは未来だっけ スピードなら光くらいザラに出るよ

あの日の自分次第でぼくがぼくらしくいられたり
あの日の自分次第できみに喜びをあげられたり

シアワセと泣くきみはとてもキレイでいいな
いつからこんな風に笑えたっけな きみがくれたんだ

ぼくときみが近付いてほら気が付いた 瞬く間に落ちた恋に いやきみに
きみが今抱いているのは不安だっけ スピードに乗って捕まえた 離さないよ

ほんの少し近付いてまた遠ざかった 瞬く間に遥か先へ いや過去へ
ぼくが今向いているのは未来だっけ スピードなら光くらいザラに出るよ

ぼくときみが近付いてほら気が付いた 瞬く間に落ちた恋に いやきみに
きみを今抱いていれば未来だって スピードに乗って迎えるよ 怖くないよ


3.なないろびより

作詞:きみコ
作曲:きみコ

魚になって空は海 飛んでるように泳いでる
あの山をヒトツ越えたら見えてくる
真っ直ぐに伸びたあぜ道にだれかの小っちゃな忘れ物
片っぽになったクツが示すは晴れ

ゆるやかに続いてく日々は答えなどない

季節が水を染めて七色に光るよ 息継ぎしたら消えた
絶え間なく降り注いでる笑い声が遠くで歌うように響いてる

逆さになって海の底 深く潜って目を凝らす
ふたつ並んだ足跡は続いている
時計は乾いた音を止め世界は今にも消えそうだ
片っぽになったクツを拾いにゆこう

夜が来て朝が来て繰り返して息づく
宝物を集めてさ 歌うように泳ごう

季節が水を染めて七色に光るよ 息継ぎしたら消えた

晴れたら手を繋いでさ 雨なら潜ってさ 染まる町を眺めよう
絶え間なく降り注いでる笑い声が遠くで歌うように響いてる

歌うように続いてく


4.夢の果て

作詞:きみコ
作曲:きみコ

ゆうべ見た夢を抜け出せずに晴れた空を見て舌打ちした
ぼくが脳内で作り出した物語の果てはどこへゆくの?

早く早く早く早くココへ来て
早く早く早く早く連れ出して

キレイなものに憧れて泣くくらいなら
いっそ全部壊してしまえばいいよ
世界はひどく残酷でそれだからこそ
愛しき人の涙に焦がれる

信じていればいつか報われると信じていたらほら裏切られる

どうしたらいいの?
答えはもう出ているんでしょう?

最後の一足が出せず竦むぼくを
いっそ全部壊してくれよと願う
世界はひどく残酷と叫ぶ口で
愛しき人の名前を唱える

キレイなものに憧れたぼくも夢も
いっそ全部壊れてしまえばいいのに

さよなら またね 手を振れない
世界とぼくをたったヒトツ繋ぐものがあるうちは
夢から連れ出してくれる小さな手の
消えそうで消えない微かなぬくもり

愛しき人の確かなぬくもり

連れ出して この世界から
夢の果てへ 手を引いて


5.もしもの話

作詞:きみコ
作曲:きみコ

あのね もしも今すぐにきみの元へと
行けるならばこの声がなくなってもいいや

目指す場所があまりにも遠く ぼくはもう道に迷いそうだ
壊れた磁石をあてにしてるんだ だれかの影に隠れてさ

何かを手に入れるため何かを手放すなんてことを
続けてもきっとぼくらはオトナにはなれない

たとえ話はあくまでももしもの話
声が出なくなったなら歌えなくなんだ

近付けばピントがずれてしまう その先にあるものはなんだ
誘惑だらけで霞んでしまうよ 忘れたくないのに

何かを楯にしながら正義や覚悟や悲しみを
叫んだってきっときみにさえ届かないんだろう

おとぎ話にきみが泣けば寂しくなるから夜を避けよう
憧れてたのは空じゃなくて空を見てたあの子だ

何かを手に入れるため何かを手放すなんてことを
続けてもきっとぼくらはオトナには

何かを手に入れたくて流した涙やついたウソが
いつの日かきみやぼくのことオトナにするのかな


6.プラネタリウム

作詞:きみコ
作曲:きみコ

雲が天を覆う夜にきみはさ 星型のライトを手に入れてさ
これで今日も星が見えるでしょうって 嬉しそうにぼくを見て笑うんだ

そんなきみを見てぼくが今思うことはヒトツだけ
ぼくが守るべきモノは今ココにある笑顔だ

雲が天を覆う夜にきみはさ 星型のライトを手に入れてさ
ぼくときみの星座を真似してさ 並べてはぼくを見て笑うんだ

そんなきみを見てぼくが今思うことはヒトツだけ
ぼくが守るべきモノは今ココにある笑顔だ

まぶたの内に潜んでる暗がりも今きみが
笑ってさ照らしてくれるから

そんなきみを見てぼくが今思うことはヒトツだけ
ぼくが守るべきモノは今ココにある

きみが並べて作り上げた星の空の下で今
ヒトツ流れた星の屑に願いをかけるんだ


7.ハロー

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

ハロー たからもの探しならぼくも少し手伝おうか
ハロー 残された時間の中あとどれくらい笑えるだろう ねえ?

まっすぐに伸びた道の上立ち止まる
まっすぐ見えてたはずなのにどうして?きみは首を傾げた

あいにくきみは乱視などは持ち合わせていないはずだろう
もしもコレが夢じゃないのなら?そんな顔しないでよ

ハロー 足元ばかりを見て見逃したものもあるだろう
その中に一体どれくらい大切なものがあっただろう

まっすぐっていうのは自然ではあり得ないってさ
どこかの頭の良いひとが言うからきっと間違いないんだろう

それならば君の道が今歪んで見えるのも特別じゃない
きっとずっとこれまでもそうだからその上で

ハロー たからもの探しなら僕も少し手伝うから
その瞳が映すものを涙にして見せておくれ ねえ?

ぼくはぼくだ きみはきみだ 紛れもなく 揺るぎもなく
つまりぼくはきみではないから きみはぼくが見えるでしょう?

会いたくなたらココへおいで 泣けなくなったらココへおいで
道に迷ったらそこにいてよ 風を頼りに会いにゆくよ

ハロー たからもの探しならもう終わりが見えてくるさ
涙の奥を覗いたら小さく笑うきみが見えた

ねえ? ハロー
あとどれくらい泣けるのだろう

会いたくなったらココにいるよ 泣きたくなったらココにいるよ


8.痕形

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

明日が消えてしまうかも すべて消えてしまうかも
ぼくがココに居たこともなかったことになるかもしれない

繋いだ指が離れた 結わいた糸が解けた
結んだ誓いが破れた 不確かなものばかり

なんでぼくはこんなにも未来を欲しがるくせにさ
なんでぼくはこんなにも過去から抜け出せないんだろう

道はヒトツ 進むか否か 決めるのはぼくでしかない
闘うべき相手は自分自身だ 負けたくないのは昨日のぼく

ぼくはぼくに期待して何度も裏切られてはさ
血が滲むほどくちびるを噛み締め懲りずに期待する

離した指の行方は?
解いた糸は切れてしまう?
破った誓いは塵になる?
そんなわけないだろう

そんでぼくはこんなにも未来を欲しがるくせにさ
まだぼくはこんなにも過去にしがみついてんだろう

多分きっとぼくはこんな風に未来を欲しがりながらさ
ココにちゃんとぼくが居たってこと忘れてほしくないんだよ
きみの中に棲みたいんだよ

明日が消えてしまうならきみにちゃんと伝えなきゃ
ぼくがココで歌う今をなかったことにしないでよ


9.ツマビクヒトリ

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

つま弾く指先は欠けた月のよう 散りゆく日々の先照らす微かな灯
冷たく鳴り響きのち残る音に あまねく染み込んでく夜の続き

月へと向かう道 淡い匂い けぶった視界の隅
単純なんて言うから間違った あたしは泣いていた?

憧れた空は描いた色とどこかちょっと違うような
歪んでいる舞台を背に立ちすくむまま
気が付けば遥か遠いところまで来てしまった
たったヒトリで

ざわめくかりそめのココロその裏で たなびく過去 今 未来 付かず離れず

吐き出すように歌う 苦い思い 上がった通り雨
単純だって言うのに疑った あたしは泣いていた

海に似た声がこぼれ落ちた静寂に響くように
耳鳴りに塞いだ手は離せないまま
見下ろせば遥か高いところまで来てしまった
たったヒトリで何も持たないで

つま弾く指先と欠けた月模様 散りゆく日々に告ぐ終わりと始まり
煌めく言の葉に乗り浮かぶ音は 揺らめくキオクを連れ未踏の世界へ

憧れた空は描いた色とどこかちょっと違うけど
塞いだ手を離したなら差し伸べるまま
掴めずに消えたそのすべてであたしになるという
たったヒトリの ただヒトリの


10.マリンスノー

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

ぼくは?きみは?続きの物語は?
死んだキオクの欠片に問う

夕凪の静寂は深く神様の人差し指が
どっかに隠された地球の時計の針を止めたみたいだ

息を吸い込み膨らむ肺を頼り
光の届かない海の底まで

深く深く潜ればきっと見つかる気がしたのにな
膨らんだはずの肺はもうぺしゃんこになってしまった

遠くなる水面が揺れる 遠くなる意識が切れる
舞い落ちる雪を纏えば過去へだって戻れるという

深く深く潜ればきっと見つかる気がしたのにな
探してたものはそこにあるはずないものだ
思い出に憑かれてしまったぼくの夢はいつでも
キオクとは少し違ったニセモノのきみがよく笑う

笑う 笑う 本当はどうだっけ
雪の粒よ答えを教えてはくれまいか

ぼくは?きみは?続きの物語は?
死んだキオクの欠片に問う

深く深く潜ればずっと遠くなる答えと今日
息を継ぐために開いた瞳に飛び込む光
雪が降る海の魔法はタネを明かせば脆く
夢と散り砕けてしまって欠片の中でぼくは見つけた

見つけた 見つけた?


11.月花

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

どこから朝になる?静かな空 見ないふりをした指切り 小指の先
笑われた月なら消えてゆくんだ 昨日の方角へ

嘘つき 臆病者 みんなまとめてぼくなら 咲いていたのは夢の中だ

月の影に隠してた 本当はね泣いてた 涙はもう流れない 枯れてしまったの?
なにもかも許せたら流れるかもしれないけど 守りたいものばかりだな

いつから聞こえてた?ぼくの声 そんなにも震えてた?おかしいかな
歌ってただけだよ ココにいるって 明日の方角へ

思い出 散らかる部屋 足の踏み場もないなら すべて残してカラダひとつで

暗いドアをこじ開けて終わる旅に出掛けた
回り道で迷っても サヨナラ ココでいい
なにもかも認めたら見つかるかもしれないけど 守れないものばかりだな

空になっていたまま大事にしてたのに
指先で触れたくらいで崩れるから

代わる代わる手にしては握りしめて壊したり
愛のウタに塞いでは怖くなって離したり 繰り返して

月の影に隠してた 本当はね咲いてた 曲がり角で踏みつけて枯れてしまわないで
なにもかも手放してたったヒトツ残るモノを 守れるように祈る夜明け


12.三等星

作詞:きみコ
作曲:佐々木淳

砕け散ったココロが夜を彩るとしたら
あたしはきっと六等星くらいだろう
風が吹いていつの間にか雲が空を埋めた
そこから抜け出す術を考えてた

降り出した雨をカラダに受けながらゆっくりと歩く
もう家までの道のりが遥か遠い国のよう

こんな夜はどんなウタが似合うだろう?
少し悩んで選んだあの子の声がやさしすぎてまた寂しくなるけど

世界から切り離された ヘッドホンのボリュームを上げて
あの子の歌があたしのウタになる 魔法に掛かったみたいだ

迷い込んだ夜からココロは今でも光を探している
零れ落ちた涙の雫でほんのり青く染まる頬

砕け散ったココロが夜を彩るとしたら
あの子は一等大きな星だろう
風が吹いていつの間に雲が晴れて顔を出した
青く凛と光るのはあの子だ

世界から振り落とされたあたしをすくいあげた
掴んだ手の頼りない体温に泣きそうでふたり笑った

世界から切り離された ヘッドホンのボリュームはいくつだ?
あの子の歌があたしの中へ深く ココロごと青く染まるよ
魔法に掛かったみたいだ

砕け散ったココロが夜を彩るとしたら
あたしは三等星くらいになれたかな


13.影踏み

作詞:きみコ
作曲:きみコ・佐々木淳

きみと目が合うたび赤く染まる頬を沈みかけたオレンジのせいにした
夢のような今を少しも色褪せずにココロにしまっておけたらいいな

細く長く伸びたふたつの影 まるで絵に描いたような夕暮れに
おかしなポーズを映す帰り道 笑い声こだまする

細く長く伸びたふたつの影 重なった手と手が照れくさくて
影を踏まれたら負けだなんて 言い訳に走り出す

きみと目が合うたび赤く染まる頬を沈みかけたオレンジのせいにした
夢のような今を少しも色褪せずにココロにしまっておけたらいいな

花のような夕焼けは世界を染めて流れ続ける時間に記しをつけた
一秒ごとに変わりゆくココロだからきみが笑う瞬間を見逃さぬように

長く伸びた影も赤く染まる頬も繋いだ手の温度もそのチカラも
今ココにあるすべてを少しも色褪せずにココロにしまっておけたらいいな

きみのココロに棲む影をひとつひとつこの足で踏みつけてゆきたいから
季節がまた巡ってもふたつの影はずっと隣り合っていられたらいいな


14.ユートピア

作詞:きみコ
作曲:きみコ

迫り来る時や未来に少し怯えても
逃げたくはないと前を見つめてた
やさしさに色を付けたような淡い空の下
迷い込んでいた深い森の中

夢を見ているの?うまく走れない 足がココロに追いつかない
探してるんだ今を削って 木漏れ日の中で手を伸ばす

ココから抜け出してどこか遠くへ行こう
そう言って差し出したその手をずっと待っていた

強がるばかりの日々も裏を返したら
背中合わせで笑うきみがいた

声に出すには少し足りない 答えはどこにある?
夜露に泣いた蕾が咲いた きみとならどこへだって行けるよ

おなじように繰り返す毎日がぼくをまた不安にさせるけど

その手を繋いだら あれおかしいな 急に
痛みも悲しみもウソみたいに消えてった

ココから抜け出してどこか遠くへ行こう
夢から覚めぬようにふたりそばで笑い合おう