暫存

音羽しのぶ 暫存歌詞
1.酒がたり

作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫

夢のはかなさ 孤独の寒さ
まぎらす筈の 酒なのに
飲むほど沁みる 胸のすきま風
あきらめた ああ あきらめた
この手を逃げた 恋なんか

わざと強がり 別れたあとで
こころのもろさ 知るものね
おんなの灯り 消した憎い男
あきらめた ああ あきらめた
苦さをこらえ すがる酒

なみだ頬づえ つぎ足す酒に
いいことばかり なぜ浮かぶ
酒場の窓に うつす泣きぼくろ
あきらめた ああ あきらめた
グラスに捨てる 酒がたり


2.おんなの信濃路

作詞:仁井谷俊也
作曲:叶弦太

碓氷(うすい)峠を 夜明けに越えりゃ
煙たなびく 浅間山
命まるごと
惚れた…惚れた… あなたは何処に
遠く聞こえる 追分節よ
おんな信濃路 ひとり旅
逢いたい…あんた

小諸(こもろ)・城下町(じょうか)を そぞろに行(ゆ)けば
光る水面(みなも)の 千曲川
雲と道づれ
北へ…北へ… 旅するあなた
噂きかせて 街道がらす
おんな信濃路 ひとり旅
恋しい…あんた

脱いだ草鞋(わらじ)の 沓掛宿(くつがけじゅく)は
月もあなたの 笑顔(かお)になる
どうか明日は
ひと眼…ひと眼… 逢わせて欲しい
紅をひと刷毛(はけ) 湯あがり化粧
おんな信濃路 ひとり旅
愛しい…あんた


3.故郷(ふるさと)よ…

作詞:仁井谷俊也
作曲:弦哲也

東京始発の 夜行列車に
乗れば朝には 故郷に着けるわ
恋に流されて… 夢に流されて…
翔べない鴎に なったけど…
こころには 何時だって
故郷の川がある 海がある

グラスに揺れてる 遠いあの町
やさしかったわ あの人この人
都会に憧れて… 未来に憧れて…
世間の無情 知ったけど…
振り向けば 懐かしい
故郷が待っている 呼んでいる

おんなの倖せ きっと来るから
強く生きるわ 希望を捨てずに
恋に傷ついて… 夢に傷ついて…
はんぶん溺れた 船だけど…
まぶたには 何時だって
故郷の父がいる 母がいる


4.ことぶき丸

作詞:松井由利夫
作曲:徳久広司

夢の纜綱(ともづな) 心の帆綱(ほづな)
千代に八千代に 結んだ二人
今日はめでたい 船出の朝だ
風も追い風 ことぶき丸に
先ずはシャシャンと 手拍子そえて
……祝い酒

海の青さの 眩しさよりも
若さはじける 幸福日和(しあわせびより)
花の笑顔で 鏡を割って
鴎・啼け啼け ことぶき丸に
先ずは シャシャンと 手拍子そえて
……祝い酒

明日(あす)という日に 舳先(へさき)を向けて
ドンと漕ぎだす 海原千里(うなばらせんり)
泣くも笑うも ひとつの絆
晴れの潮路(しおじ)の ことぶき丸に
先ずは シャシャンと 手拍子そえて
……祝い酒


5.女・十年

作詞:松井由利夫
作曲:遠藤実

肩が触れあう ただそれだけで
こころが燃えた 泣けてきた
にじむ瞼に くちびる寄せて
涙をすすって くれた人
烈しい恋は 蜃気楼
やさしい夢は 走馬燈
…… あれは十九の 春おぼろ

たとえ小さな 過失(あやまち)だって
許せばいつか 火傷する
あなたしかない わたしにとって
死ぬより切ない ことでした
烈しい恋は 蜃気楼
やさしい夢は 走馬燈
…… 窓に木枯し 舞う落葉

風の噂じゃ 夕陽のように
ただれた暮し してるとか
胸のすき間に いいことだけを
埋めて今夜も 爪を噛む
烈しい恋は 蜃気楼
やさしい夢は 走馬燈
…… 外は簓の 雪模様