美空ひばり全曲集 悲しい酒(1996)

美空ひばり 美空ひばり全曲集 悲しい酒(1996)歌詞
1.悲しき口笛

作詞:藤浦洸
作曲:万城目正

丘のホテルの 赤い灯も
胸のあかりも 消えるころ
みなと小雨が 降るように
ふしも悲しい 口笛が
恋の街角
露地の細道 ながれ行く

いつかまた逢う 指切りで
笑いながらに 別れたが
白い小指の いとしさが
忘れられない さびしさを
歌に歌って
祈るこころの いじらしさ

夜のグラスの 酒よりも
もゆる紅色 色さえた
恋の花ゆえ 口づけて
君に捧げた 薔薇の花
ドラのひびきに
ゆれて悲しや 夢とちる


2.東京キッド

作詞:藤浦洸
作曲:万城目正

歌も楽しや 東京キッド
いきでおしゃれで ほがらかで
右のポッケにゃ 夢がある
左のポッケにゃ
チューイン・ガム
空を見たけりゃ ビルの屋根
もぐりたくなりゃ マン・ホール

歌も楽しや 東京キッド
泣くも笑うも のんびりと
金はひとつも なくっても
フランス香水 チョコレート
空を見たけりゃ ビルの屋根
もぐりたくなりゃ マン・ホール

歌も楽しや 東京キッド
腕も自慢で のど自慢
いつもスイング ジャズの歌
おどるおどりは ジタバーク
空を見たけりゃ ビルの屋根
もぐりたくなりゃ マン・ホール


3.リンゴ追分

作詞:小沢不二夫
作曲:米山正夫

リンゴの花びらが 風に散ったよな
月夜に月夜に そっと え―――
つがる娘は ないたとさ
つらい別れを ないたとさ
リンゴの花びらが 風に散ったよな
あ―――

お岩木山のてっぺんを
綿みてえな白い雲が
ポッカリポッカリながれてゆき
桃の花が咲き さくらが咲き
そっから早咲きの、リンゴの花ッコが咲くころは
おらだちのいちばんたのしい季節だなや―
だども じっぱり無情の雨こさふって
白い花びらを散らすころ
おら あのころ東京さで死んだ
お母ちゃんのことを思い出して
おら おら……

津軽娘は 泣いたとさ
つらい別れを 泣いたとさ
リンゴの花びらが 風に散ったよな
あ―――


4.柔

作詞:関沢新一
作曲:古賀政男

勝つと思うな 思えば負けよ
負けてもともと この胸の
奥に生きてる 柔の夢が
一生一度を
一生一度を 待っている

人は人なり のぞみもあるが
捨てて立つ瀬を 越えもする
せめて今宵は 人間らしく
恋の涙を
恋の涙を 噛みしめる

口で言うより 手の方が早い
馬鹿を相手の 時じゃない
行くも住(とま)るも 座るもふすも
柔一すじ
柔一すじ 夜が明ける


5.悲しい酒(セリフ入り)

作詞:石本美由起
作曲:古賀政男

ひとり酒場で 飲む酒は
別れ涙の 味がする
飲んで棄てたい 面影が
飲めばグラスに また浮かぶ

「ああ 別れた あとの心残りよ
未練なのね あの人の面影
淋しさを忘れるために
飲んでいるのに
酒は今夜も私を悲しくさせる
酒よどうして どうして
あの人を
あきらめたらいいの
あきらめたらいいの」

酒よこころが あるならば
胸の悩みを 消してくれ
酔えば悲しく なる酒を
飲んで泣くのも 恋のため

一人ぼっちが 好きだよと
言った心の 裏で泣く
好きで添えない 人の世を
泣いて怨んで 夜が更ける


6.別れてもありがとう


7.おんな道

作詞:川内康範
作曲:船村徹

めぐり逢えそで 逢えぬよな
夢もおぼろな 恋をして
涙いくたび 枯れもせず
明日があるから 生きてきた
ああ いや果てのおんな道

風の噂に 傷ついた
疼くこころを 抱きしめて
凍る吹雪を 見ながらも
愛を信じて 生きてきた
ああ いや果てのおんな道

人のそしりの 中にさえ
どこかに真実 あるだろと
つらい命に 花そえて
痛みに耐えて ちりばめた
ああ いや果てのおんな道


8.かもめと女


9.ひとりぼっち

作詞:山口洋子
作曲:遠藤実

「おお寒い……
冷えるわねえ どういっぱい
ところで聞いてくれる
こんな淋しい女のはなし」

恋をしたのは二十才まえ
命も夢も 賭けたけど
涙で終った 初恋は
妻も子もある
妻も子もある 相手(ひと)だった
お酒が飲みたい こんな夜は
お酒が飲みたい こんな夜は

北のふるさと 出たときは
十六でした 肌寒い
粉雪舞い散る 停車場で
泣いて泣いて
泣いてにぎった 母の指
お酒が飲みたい こんな夜は
お酒が飲みたい こんな夜は

ひとつひとつと 数えたら
両手にあまる 傷の跡
淋しい女の 身の上を
知っているよな
知っているよな 弾き語り
お酒が飲みたい こんな夜は
お酒が飲みたい こんな夜は

「ごめんなさい
しめっぽい愚痴 聞かせちゃって
そろそろ看板だけと
ネッ もう一杯いかが……」


10.ひばりづくし

作詞:藤浦洸
作曲:船村徹

そろた そろたよ
おどり子そろた
あの子 どこの子
あの子 どこの子
こいきな子

月の 出ぬ間に
鎮守の森で
ぬしと ふたりで
ぬりと ふたりで
ひとおどり

おどり おどるなら
笑顔でおどれ
笛と太鼓と
笛と太鼓と
手拍子で


11.さくらの唄

作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし

何もかも僕は なくしたの
生きてることが つらくてならぬ
もしも僕が死んだら 友達に
ひきょうなやつと わらわれるだろう
わらわれるだろう

今の僕は何を したらいいの
こたえておくれ 別れた人よ
これで皆んないいんだ 悲しみも
君と見た夢も おわったことさ
おわったことさ

愛した君も 今頃は
僕のことを忘れて 幸福だろう
おやすみをいわず ねむろうか
やさしく匂う さくらの下で
さくらの下で
さくらの下で


12.あやとり


13.人恋酒

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

人に教わる こともなく
いつかおぼえた 酒の味
生きてくつらさ 心の傷を
酔ってわすれる 裏通り
酒よ 今夜も
おまえと さしむかい

人に踏まれて 泣きもした
恋にいのちを 賭けもした
忘れたはずの 面影ひとつ
おもいださせる 通り雨
酒よ 今夜も
おまえと さしむかい

人が恋しく 飲む酒か
夢がほしくて 飲む酒か
沈むも浮くも 人の世ならば
悔いを残さず 歩きたい
酒よ 今夜も
おまえと さしむかい


14.愛燦燦

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

雨 潸々(さんさん)と この身に落ちて
わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして
人は哀しい 哀しいものですね

それでも過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

風 散々(さんざん)と この身に荒れて
思いどおりにならない夢を 失くしたりして
人はかよわい かよわいものですね

それでも未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね

愛 燦々(さんさん)と この身に降って
心秘そかな嬉し涙を 流したりして
人はかわいい かわいいものですね

ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね


15.みだれ髪

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

髪のみだれに 手をやれば
赤い蹴出(けだ)しが 風に舞う
憎くや 恋しや 塩屋の岬
投げて届かぬ 想いの糸が
胸にからんで 涙をしぼる

すてたお方の しあわせを
祈る女の 性(さが)かなし
辛(つ)らや 重たや わが恋ながら
沖の瀬をゆく 底曳(そこび)き網(あみ)の
舟にのせたい この片情(かたなさ)け

春は二重(ふたえ)に 巻いた帯
三重(みえ)に巻いても 余(あま)る秋
暗(くら)や 涯てなや 塩屋の岬
見えぬ心を 照らしておくれ
ひとりぼっちに しないでおくれ


16.川の流れのように

作詞:秋元康
作曲:見岳章

知らず知らず 歩いて来た
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷が見える
でこぼこ道や
曲がりくねった道
地図さえない
それもまた人生
ああ 川の流れのように
ゆるやかに
いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように
とめどなく
空が黄昏に 染まるだけ

生きることは 旅すること
終わりのない この道
愛する人 そばに連れて
夢探しながら
雨に降られて
ぬかるんだ道でも
いつかは また
晴れる日が来るから
ああ 川の流れのように
おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように
移りゆく
季節 雪どけを待ちながら

ああ 川の流れのように
おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように
いつまでも
青いせせらぎを 聞きながら