1.天城越え
作詞:吉岡治
作曲:弦哲也
隠しきれない 移り香が
いつしかあなたに 浸みついた
誰かに盗られる くらいなら
あなたを 殺していいですか
寝乱れて 隠れ宿
九十九(つづら)折り 浄蓮(じょうれん)の滝
舞い上がり 揺れ堕ちる 肩のむこうに
あなた…山が燃える
何があっても もういいの
くらくら燃える 火をくぐり
あなたと越えたい 天城越え
口を開けば 別れると
刺さったまんまの 割れ硝子
ふたりで居たって 寒いけど
嘘でも抱かれりゃ あたたかい
わさび沢 隠れ径
小夜時雨 寒天橋
恨んでも 恨んでも 躯うらはら
あなた…山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え
走り水 迷い恋
風の群れ 天城隧道(ずいどう)
恨んでも 恨んでも 躯うらはら
あなた…山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え
2.東京めぐり愛
琴風豪規・石川さゆり
作詞:なかにし礼
作曲:市川昭介
(男)「やっと逢えたね あゝ良かった
(男)さがしぬいたよ 東京を」
(女)「逃げていたけど心では
(女)みつけてくれるのを 待っていた」
(男)赤い運命の糸がある
(女)それを互いにたぐってた
(男女)東京ふれ愛 めぐり愛
(女)「夢じゃないのね あゝ良かった
(女)泣いていいのね 思い切り」
(男)「おそくなったが 幸せは
(男)なんとか間にあったみたいだね」
(女)一生一度の恋だもの
(男)花の咲かない はずがない
(男女)東京ふれ愛 めぐり愛
(男)「元気そうだね あゝ良かった」
(女)「はなさないでね もう二度と」
(男)「嫁になりなよ この俺の」
(女)「死んでもいいくらい うれしいわ」
(男女)ごらん あんなに光ってる
(男女)二つならんだ 夫婦星
(男女)東京ふれ愛 めぐり愛
3.鴎という名の酒場
作詞:阿久悠
作曲:中村泰士
黒地に白く 染めぬいた
つばさをひろげた 鴎の絵
翔んで行きたい 行かれない
私の心と 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海
海鳴りだけが 空オケで
歌えば悲しい 歌になる
とてもあなたは この町で
くらせはしないと 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海
昔の男(ひと)と 思うから
言葉もなんだか つまりがち
只の男と 女なら
気楽にのめると 笑うひと
鴎という名の 小さな酒場
窓をあけたら海
北の海 海 海
4.滝の白糸
作詞:吉岡治
作曲:市川昭介
心だけ 下されば
倖せだから
どうぞ どうぞ
行って下さい 東京へ
夢があなたに 叶うなら
苦労もかえって 愉しいと
滝の白糸
水に咲かせる 恋舞台
好きだけで 一筋に
生きられるなら
明日も 明日も
なんの憂いは あるまいに
金に憂き世に 負けました
せかれて立つ瀬も ないままに
滝の白糸
月も痩せます 卯辰橋
恨まない 悔やまない
この世のことは
みんな みんな
おんな心の 愚か故
好いた御方に 裁かれて
生命を生命を 断とうとも
滝の白糸
末は夫婦の ふたりづれ
5.火の国へ
作詞:阿久悠
作曲:三木たかし
あなたなしでも生きられる
そんな女になりたいと
熱い思いの火の国へ
生れ変りに参ります
東京駅から西へ向け
泣かぬ女の
泣かぬ女の ひとり旅
雨の降る日はしのび逢い
それが似合いの恋なんて
甘く見えても真実は
若い私をやせさせた
三年三月は重過ぎて
とても背負って
とても背負って 行けません
肥後の火の山 阿蘇の山
私むかえてくれる山
明日はあなたの想い出も
すべて燃やしてしまいます
未練が眠りをさまたげる
そして夜汽車は
そして夜汽車は 火の国へ
そして夜汽車は
そして夜汽車は 火の国へ
6.暖流
作詞:阿久悠
作曲:三木たかし
私これで帰りますと席を立った
急にたずねすみませんと頭下げた
いいのここで一人にして下されば
後はぶらり海を見つめ過します
これで心が晴れました
あなたなしで生きることに決めました
沖を走る潮の流れ見つめながら
私しんみり南国土佐の昼さがり
バスの窓にキラリキラリ 波が光り
岬までの道がつづく うねりながら
季節はずれ風がさわぐ海べりを
私ひとり乗せただけのバスが行く
これで心が晴れました
あなたなしで生きることに決めました
かもめつれて西へ走るフェリーボート
私ぼんやり南国土佐の昼さがり
これで心が晴れました
あなたなしで生きることに決めました
ふり向いては駄目よ駄目よ戻っちゃ駄目
私はらはら 南国土佐の昼ざかり
7.うたかた
作詞:吉岡治
作曲:岡千秋
のれんしまって あなたのそばで
お酒をつぎたい つがれたい
どうかしてます 今夜のわたし
きっと雨降るせいですね
痩せた女が せめてうたかた
めくる夢ごよみ
問わず語りの 身の上ばなし
古傷さらして どうなるの
どうかしてます 今夜のわたし
何年ぶりに 泣きました
きっとあなたのせいですね
寒い心が せめてうたかた
人を恋しがる
雨が凍れて 小雪となって
泊まっていってと 云えないで
どうかしてます 今夜のわたし
切なさつらさ 叱ります
きっとお酒のせいですね
せめてうたかた せめてうたかた
灯す夢あかり
8.沈丁花
作詞:東海林良
作曲:大野克夫
降りしきる 雨の吐息に
許されぬ あの人と二人
忍びあるく 坂道
思い切れない 人だから
思い切れない 恋だから
ひたむきに 燃える心
二人でいても 何故か淋しい
夜明けの 裏通り
港まで つづく舗道に
白くこぼれる 沈丁花
こんなこと していたら駄目と
熱い胸を 抱いてる
忘れられない 人だから
忘れられない 恋だから
なおさらに つのる心
雨が止んだら 春の風吹く
夜明けの 裏通り
終わりかけてる 人だから
終わりかけてる 恋だから
ひとときに 賭ける心
雲の切れ間に 陽ざしが見える
夜明けの 裏通り
9.夫婦善哉
作詞:吉岡治
作曲:弦哲也
浮草ぐらしと あなたが笑う
肩に舞うよな 露地しぐれ
なにもなくても こころは錦
ついてゆきます… 夫婦善哉
あなたの背中が 道しるべ
他人(ひと)には見えない 亭主(おとこ)の値打ち
惚れた女にゃ よく見える
寒い夜には 相合い酒で
憂き世七坂… 夫婦善哉
今日も可愛い 馬鹿になる
ないないづくしも 才覚ひとつ
辛抱がまんの 花が咲く
旅は道づれ 夫婦は情け
なにがあっても… 夫婦善哉
笑顔千両で 生きてゆく
10.能登半島
作詞:阿久悠
作曲:三木たかし
夜明け間近 北の海は波も荒く
心細い旅の女 泣かせるよう
ほつれ髪を指に 巻いて溜息つき
通り過ぎる 景色ばかり見つめていた
十九なかばの 恋知らず
十九なかばで 恋を知り
あなた あなたたずねて行く旅は
夏から秋への 能登半島
ここにいると 旅の葉書もらった時
胸の奥で何か急に はじけたよう
一夜だけの旅の 仕度すぐにつくり
熱い胸に とびこみたい私だった
十九なかばの 恋知らず
十九なかばで 恋を知り
すべて すべて投げ出し駈けつける
夏から秋への 能登半島
あなた あなたたずねて行く旅は
夏から秋への 能登半島
11.天の川情話
作詞:なかにし礼
作曲:弦哲也
出雲崎から 荒海見れば
遠くにかすむ 佐渡ヶ島
今ごろあなたは 手紙をよんで
別れに気づいて いるでしょう
佐渡は 佐渡はいよいか 住みよいか
せまい町ゆえ 島ゆえに
私の恋には つらすぎた
この身のぞまれ 嫁ぐのならば
あなたと決めて いたけれど
私の願いは 叶わぬ願い
女が泣いたら それですむ
佐渡は 佐渡はいよいか 住みよいか
両津みなとで 船にのり
私はふるさと 棄ててきた
涙こらえて 唇 かんで
見上げりゃ 空に天の川
このままあなたと 続いていたら
父母世間を せまくする
佐渡は 佐渡はいよいか 住みよいか
つらい運命の 恋ゆえに
私は帰らぬ 旅に出た
12.さよならの翼
作詞:阿木燿子
作曲:弦哲也
蒼く光る滑走路
星に向って飛び立つ
窓の外を見下ろせば
街の灯が遠のく
わたしにすれば若い日
あなたにとれば苦い日
わたしの中の宝石
あなたの中で瓦落多
二人でいる淋しさに耐えられなくて
愛の砂漠越えるさよならの翼
眠る積りで閉じれば
ふいに涙が零れる
シートベルトのサインが
消えて暫くしたあと
わたしにすれば若い日
あなたにとれば苦い日
わたしにとって真実
あなたにしたら誤ち
粉々にしたくないの もうこれ以上
硝子細工の日々 さよならの翼
わたしにすれば若い日
あなたにとれば苦い日
わたしの中の宝石
あなたの中で瓦落多
粉々にしたくないの もうこれ以上
硝子細工の日々 さよならの翼
13.轟町夫婦草
14.ホテル港や
作詞:阿久悠
作曲:弦哲也
三日三晩の
祭ばやしがふと止んで
秋風身にしむ夜に 最後の花火
これでもう
何の未練も なくなったわと
うつむいて つぶやいて 涙ぐむ
ブリキのランタン 薄あかり
不幸が似合いの ひとり酒
死ぬ気はないけど 生きるもつらくて
波止場町 ホテル港や
出船入船
人でにぎわう桟橋に
見送り鴎が 低く 輪(わ)を描く景色
此処を出て
何処へ行くのも 切ないからと
薄い胸 抱きしめて 身をよじる
昔を夢みる 人がいて
舟唄ばかりを 口ずさむ
酔う気もないけど 素面もつらくて
波止場町 ホテル港や
一生一度の
恋と信じたばっかりに
北国の海見て過し 無口になった
泣き癖は
やっとなおって 嬉しいけれど
真夜中に うずくまり 爪を切る
ひと荒れふた荒れ 海鳴りに
霧笛が引き裂く 静けさに
泣く気はないけど 笑うもつらくて
波止場町 ホテル港や
15.風の盆恋歌
作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし
蚊帳の中から 花を見る
咲いてはかない 酔芙容
若い日の 美しい
私を抱いて ほしかった
しのび逢う恋 風の盆
私あなたの 腕の中
跳ねてはじけて 鮎になる
この命 ほしいなら
いつでも死んで みせますわ
夜に泣いてる 三味の音
生きて添えない 二人なら
旅に出ましょう 幻の
遅すぎた 恋だから
命をかけて くつがえす
おわら恋唄 道連れに
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