1.銀座の雀
作詞:野上彰
作曲:仁木他喜雄
たとえどんな人間だって 心の故郷があるのさ
俺にはそれが この街なのさ
春になったら 細い柳の葉が出る
夏には雀がその枝で啼く
雀だって唄うのさ
悲しい都会の塵の中で
調子っぱずれの唄だけど
雀の唄は おいらの唄さ
銀座の夜 銀座の朝
真夜中だって知っている
隅から隅まで知っている
おいらは銀座の雀なのさ
夏になったら啼きながら
忘れものでもしたように
銀座八丁とびまわる
それでおいらは うれしいのさ
すてばちになるには 余りにもあかるすぎる
この街の夜も この街の朝にも
赤いネオンの灯さえ
明日の望みに またたくのさ
昨日別れて 今日は今日なのさ
惚れて好かれて さようなら
後にゃなんにも残らない
春から夏 夏から秋
木枯しだって知っている
みぞれの辛さも 知っている
おいらは銀座の雀なのさ
赤いネオンによいながら
明日の望みは風まかせ
今日の生命に生きるのさ
それでおいらは うれしいのさ
2.船頭小唄
作詞:野口雨情
作曲:中山晋平
おれは河原の 枯れすゝき
同じお前も 枯れすゝき
どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れすゝき
死ぬも生きるも ねえおまえ
水の流れに 何変ろ
おれもお前も 利根川の
船の船頭で 暮らそうよ
枯れた真菰に 照らしてる
潮来出島の お月さん
わたしゃこれから 利根川の
船の船頭で 暮らすのよ
3.妻をめとらば
作詞:与謝野鉄幹
作曲:不詳
妻をめとらば 才たけて
みめ美わしく 情あり
友を選ばば 書を読みて
六分の侠気 四分の熱
わが歌声の 高ければ
酒に狂うと 人の言う
われにすぎたる
のぞみをば
君ならではと 誰が知る
4.ゴンドラの唄
作詞:吉井勇
作曲:中山晋平
いのち短し 恋せよ乙女
紅き唇 あせぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを
いのち短し 恋せよ乙女
いざ手をとりて かの舟に
いざ燃ゆる頬を 君が頬に
ここは誰も 来ぬものを
いのち短し 恋せよ乙女
黒髪の色 あせぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを
5.月の沙漠
6.天草の子守唄
7.あゝ舟がくし
8.青春が花ならば
9.人生はいいものさ
10.しれとこ旅情
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