夢つづり

弦哲也 夢つづり歌詞
1.蛍

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

はぐれ蛍が よりそって
しあわせ手さぐり 夢さぐり
きれいごとでは 愛しきれない
この人と この人と
命かさねて
生きるふたりの 濁り川

抱いてください おもいっきり
明日(あした)のゆくえも わからない
夜のすき間を こぼれて落ちて
この人と この人と
躰こがして
生きるふたりの 蛍川

水が濁った この街に
蛍は住めぬと 人はいう
いいの一緒に 翔べたらいいの
この人と この人と
おなじ運命
生きるふたりの 情け川


2.月の砂漠

作詞:湯川れい子
作曲:弦哲也

あなたの瞳は なんの色
月の裏側の 海の色
夜ごとに抱かれて のぞいても
見知らぬ砂漠を映すだけ
あなたは気まぐれ 家なき子
私の乳房をにぎりしめ
誰かを慕って夢の中
私もトロトロ 添い寝して
灼熱地獄の夢を見る
ねんねんころり ねんころり
月の砂漠に降る雪は
真っ赤な 真っ赤な 乱れ雪
真っ赤な 真っ赤な 乱れ雪

あんまり誰かを 愛すると
ほんとの答えが身を隠す
嫉妬で もつれた長い髪
ブラシで梳かせば 泣けてくる
男は女を知り尽し
身体を脱け出て旅に出る
私は今頃トボトボと
あなたの心にたどり着き
くすぶる自分の影を見る
ねんねんころり ねんころり
恋の地獄に積む雪は
真っ赤な 真っ赤な 恨み雪
真っ赤な 真っ赤な 恨み雪

ねんねんころり ねんころり
月の砂漠に降る雪は
真っ赤な 真っ赤な 凍れ雪
真っ赤な 真っ赤な 凍れ雪


3.暗夜航路

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

生きてゆくのが 下手だから
にがさ重ねて 千鳥足
いいのいいのよ あんた……
風がヒュルヒュル 沁みる夜(よ)は
錨(いかり)おろして この胸に

淋しがりやで 惚れたがり
なおらないわね 死ぬまでは
いいのいいのよ あんた…
一夜泊りの 船だって
ともす灯りは 夢灯り

苦労ひろって 港町
やせたおんなの 縄のれん
いいのいいのよ あんた……
つれていってと 云えないで
すがる背中に 霧が降る


4.天城越え

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

隠しきれない 移り香が
いつしかあなたに 浸みついた
誰かに盗られる くらいなら
あなたを 殺していいですか
寝乱れて 隠れ宿
九十九折り 浄蓮の滝
舞い上がり 揺れ堕ちる
肩のむこうに
あなた… 山が燃える
何があっても もういいの
くらくら燃える 火をくぐり
あなたと越えたい 天城越え

口を開けば 別れると
刺さったまんまの 割れ硝子
ふたりで居たって 寒いけど
嘘でも抱かれりゃ あたたかい
わさび沢 隠れ径(みち)
小夜時雨 寒天橋
恨んでも 恨んでも
躯うらはら
あなた… 山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え

走り水 迷い恋
風の群れ 天城隧(ずい)道
恨んでも 恨んでも
躯うらはら
あなた… 山が燃える
戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地を這って
あなたと越えたい 天城越え


5.みちのく挽歌

作詞:つつみりゅうじ
作曲:弦哲也

吹雪まじりに 汽笛が鳴いて
ふっとあんたの 面影が
くもりガラスの 窓に映って
長い冬です 寒い肌
ハァー 夢でも 逢いたいよ
ハァー 夢でも 抱いとくれ
恋しさつのって ひとり泣く

ハァー はるか彼方は 相馬の空かよ ナンダコラヨート

山の根雪が 溶け出す頃は
花も咲かせる 風も吹く
鳴瀬(なるせ)の川に あんたの名前
呼んでみました 淋しくて
ハァー 幼児(こども)のしぐさもよ
ハァー あんたに似てくるよ
季節の変わりを 何度見る

ハァー 夢でも 逢いたいよ
ハァー 夢でも 抱いてくれ
涙のみちのく 冬挽歌


6.雪の傘

作詞:荒木とよひさ
作曲:弦哲也

涙の雨より 悲しいことは
あなたと歩く 傘がない
せめてしぐれが 小雪(ゆき)になるまで
そばにいさせて 引き止めて
抱いて下さい 夜明けに染まるまで
帰したくない 雪の傘

幸福(しあわせ)なのかと きかれるたびに
心がいつでも 痛くなる
めぐり逢うのが 遅いだけなら
何故にあしたを つれてくる
抱いて下さい 眠ってしまうまで
夢でより添う 雪の傘

あしたが雪なら 死ぬほど積もれ
あなたをこのまま 閉じこめて
少し飲ませて 泣かないように
胸のふるえが 止まらない
抱いて下さい この恋終るまで
冬に咲かせて 雪の傘