岩崎宏美「阿久悠 作品集」

岩崎宏美 岩崎宏美「阿久悠 作品集」歌詞
1.二重唱

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

あなたがいて 私がいて
ほかに何もない
ただ秘密の匂い たちこめるだけ
あなたが好き ほんとに好き
二人それだけを
ただ小鳥のように くり返すだけ

くちづけするのなら
素早く盗んで
返事などさせないで 泣いてしまう
誰かに少し ねたまれそうな
あなたと私の 恋の時

あなたの手が 私の手を
強くにぎりしめ
もうはなさないよと ささやいている
あなたのため 心をみな
見せてあげたいと
今せつないほどに 私は思う

ふるえているけれど
おびえていないわ
しあわせがかけめぐり とまらないの
何かをいうと 涙になるの
あなたと私の 恋の時

あなたがいて 私がいて
ほかに何もない
ただ秘密の匂い たちこめるだけ
あなたが好き ほんとに好き
二人それだけを
ただ小鳥のように くり返すだけ


2.ロマンス

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

あなたお願いよ 席を立たないで
息がかかるほど そばにいてほしい
あなたが 好きなんです

ひとりでいるのが こわくなる
このまま逢えなく なりそうで
くちづけさえ 知らないけど
これが愛なのね

もしもとべるなら とんでついて行く
たとえ嵐でも たとえ遠くでも
あなたが 好きなんです
まるで今の私 迷い子のようね
あなたが 好きなんです

生まれて始めて 愛されて
私はきれいに なって行く
甘い甘い ロマンスなの
しあわせな私

こんな私だから 抱きしめていてね
あなたお願いよ 席を立たないで
息がかかるほど そばにいてほしい

あなたお願いよ 席を立たないで
息がかかるほど そばにいてほしい


3.センチメンタル

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

夢のようね今の私 しあわせ
あの日 めぐり逢えたあなた
恋のめばえ
ときめく胸を あなたに伝えたいの
好きよ 好きよ 好きよ
ブルーの服を バラ色に
私は変えてみたの そんな気分よ
十七才

もしもあの日 逢えなければ 私は
恋の夢も 知らぬままに 生きていたわ
予期せぬことが 二人を結びつけた
好きよ 好きよ 好きよ
かかとの高い しゃれた靴
私ははいてみたの そんな気分よ
十七才

明日はきっと あなたが逢いに来るわ
好きよ 好きよ 好きよ
素敵な髪を カールして
私は見とれている そんな気分よ
十七才

ラ…… ラ……


4.ファンタジー

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

ギターの弦(いと) 人さし指はじいてひいて
あなたのこと考えてる 私はひとり
あれは二月前の 日ぐれ時だった
地下鉄の出口で
ふと心に感じた あなたのまなざしを
立ちどまり私も ただあなたを見つめてた

イニシャル入り デニムのシャツ 鏡にうつし
あなたのこと考えてる 私はひとり
あれは一月前の 雨の午後だった
公園の木陰(こかげ)で
ふとふれ会う指先 重ねたくちびるを
泣きじゃくりながらも 愛してるといっていた

あれは半日前 今朝(けさ)のことだった
この部屋の窓辺で
あのひとからいわれた 悲しいさよならを
手をふって私もただ 好きよと告げていた

この部屋の窓辺で
あのひとからいわれた 悲しいさよならを
手をふって私もただ 好きよと告げていた


5.未来

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

あゝ私の未来はあなたと同じ
あゝあなたの未来は私と同じ
あなたの甘いくちづけが
私の 未来を決めるのよ
愛されて しまったの

小さいけれど しあわせを
あげると あなたは抱きしめる
うなづいて しまったの
まぶしさにおぼれて
悲しみも 見えない
二人だけ 白い部屋
あゝ私の未来はあなたと同じ
あゝあなたの未来は私と同じ

小指が話す約束が
私を 夢中にさせるのよ
酔わされて しまったの
何もかも あずけて
その腕に ぶらさがり
二人だけ 青い径(みち)
あゝ私の未来はあなたと同じ
あゝあなたの未来は 私と同じ

あゝ私の未来はあなたと同じ
あゝあなたの未来は 私と同じ


6.霧のめぐり逢い

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

あなたね やはりあなたなの
逢えたのね 夢じゃないのね ほんとに
力が ぬけて行ってしまうわ
うれしさで めまいが起こりそう

お願い 強くささえてね
よろめいた からだささえてね
お願い

もう あなたの私よ
もう 私のあなたよ

はなれて生きるなんて
駄目よ駄目よ 出来ないわ

あなたに 逢えてよかったわ
一つだけ 今はいわせてね しあわせ
心が 熱くなって来たから
びしょぬれの 夜霧さえ平気

このまま 抱いて立っててね
動かない 石になったように
このまま

もう あなたの私よ
もう 私のあなたよ

はなれて生きるなんて
駄目よ駄目よ 出来ないわ

信じて 待ってよかったわ
ひたむきな 心通じたの しあわせ


7.ドリーム

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

あなたにとどけ あなたにとどけ
私のこころ あなたにとどけ
窓をあけて風にたくす

はちきれそうな 私の想い
あなたひとり愛します

このぼくが決めたひと ただ一人だけ
君だよと いわれたら
どんなにか どんなにか
ああ いいでしょう

ごめんなさいね ごめんなさいね
夢中になって ごめんなさいね
そんな私叱りながら

せつない涙 流してしまう
あなたひとり愛します

このぼくのまごころを 信じないから
馬鹿だよと いわれたら
どんなにか どんなにか
ああ いいでしょう

ああ 夢かしら
ああ 夢かしら

愛と一つ 書いただけの
手紙を折って 窓から飛ばし
あなたひとり愛します

このぼくにいつの日か 君のすべてを
あずけてと いわれたら
どんなにか どんなにか
ああ いいでしょう


8.想い出の樹の下で

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

私は忘れない 私は忘れない
晴れた日の 想い出の樹の下を

この樹の下で 愛を誓えば
必ず二人は 結ばれる
緑の影が 顔にゆらめき
あなたの言葉は しめりがち

信じましょう 信じて生きましょう
それが 心の支えになるなら
そしていつか 奇跡のように
この丘で 逢いましょう

私は忘れない 私は忘れない
晴れた日の 想い出の樹の下を

あなたは今も 覚えてますか
誓いの言葉の 数々を
私はそれが たった一つの
生きがいみたいに 抱いてます

信じましょう 信じて生きましょう
たとえ はかない 想い出としても
何故かいつか あの樹の下で
逢える気が するのです

私は忘れない 私は忘れない
晴れた日の 想い出の樹の下を…


9.悲恋白書

作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

昨日が消えて 明日が消えて
今日につめたく されているのです

ぼろぼろの心が いたみます
なぐさめる言葉が ありません

そうです 私はふられたのです
あのひとに捨てられて しまったのです
こんなにも こんなにも 悲しむなんて
あのひとは思っても いないのでしょう

昨日が消えて 明日が消えて
今日につめたく されているのです

こなごなのしあわせ 見つめます
つないでもやっぱり こわれます

そうです すべてが終ったのです
あのひとは他の娘を 選んだのです
どうすれば どうすれば 涙を出さず
この恋のなきがらを 捨てられるでしょう

昨日が消えて 明日が消えて
今日につめたく されているのです

昨日が消えて 明日が消えて
今日につめたく されているのです


10.熱帯魚

作詞:阿久悠
作曲:川口真

ああ 今夜はもう帰りません私
叱られてもいい なじられてもいい
ああ あなたが好き それだけの私
どうぞそばにおいて

カクテルに夜が溶けていくようなブル-
指先でつまむ さくらんぼ一つ赤い
ほろ酔いのピアニスト
ウインクを投げて 愛の歌ひいてくれた

ゆらゆらとゆれるからだ
はなやいで遊ぶこころ
水槽の中を泳ぐ 熱帯魚みたいよ

ああ 今夜はもう帰りません私
叱られてもいい なじられてもいい
ああ あなたが好き それだけの私
どうぞそばにおいて

唇がふれた 耳たぶが赤く染まる
ためいきに色がついているような夜に
キャンドルの灯の影で
愛してるなんて ささやかれ泣いた私

くらくらとめまいがする
きりきりと胸がいたむ
蒼ざめた光あびた 熱帯魚みたいよ

ああ 今夜はもう帰りません私
叱られてもいい なじられてもいい
ああ あなたが好き それだけの私
どうぞそばにおいて

ああ 今夜はもう帰りません私
叱られてもいい なじられてもいい
ああ あなたが好き それだけの私
どうぞそばにおいて


11.思秋期

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

足音もなく行き過ぎた
季節を ひとり見送って
はらはら涙あふれる 私十八

無口だけれどあたたかい
心を持ったあのひとの
別れの言葉抱きしめ やがて十九に

心ゆれる秋になって 涙もろい私
青春はこわれもの 愛しても傷つき
青春は忘れもの 過ぎてから気がつく

ふとしたことではじめての
くちづけをしたあのひとは
ごめんといったそれっきり 声もかけない

卒業式の前の日に
心を告げに来たひとは
私の悩む顔見て 肩をすぼめた

誰も彼も通り過ぎて 二度とここへ来ない
青春はこわれもの 愛しても傷つき
青春は忘れもの 過ぎてから気がつく

ひとりで紅茶のみながら
絵葉書なんか書いている
お元気ですかみなさん
いつか逢いましょう

無邪気(むじゃき)な春の語らいや
はなやぐ夏のいたずらや
笑いころげたあれこれ 思う秋の日


12.二十才前

作詞:阿久悠
作曲:穂口雄右

ごきげん如何(いかが)とあのひとに書いたわ
迷惑(めいわく)でなければ
一度だけ逢って下さいと

胸の奥に残る
重い忘れもの
それが恋かどうか
見つめたいのです

目の前の人を愛せない
なぜだか悔いが残りそう
あなたがいる あなたがいる
いつもいつも心に

このまま二十才(はたち)の階段をのぼれば
もう二度とうしろへ
戻れない そんな気がします

あれは子供じみた
軽い出来事と
もしもいわれるなら
それもいいのです

少しだけ泣いて忘れたら
それから先は歩けます
あなたがいる あなたがいる
いつもいつも心に

十六 十七 十八と愛した
あのひとの心を
確めてみたい二十才前(はたちまえ)


13.あざやかな場面

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

目を閉じていれば いくつも
あざやかな場面が
なつかしい歌につつまれ
色とりどり よみがえる
あの時は春の終りの
息づまる青葉に
おしゃべりの癖(くせ)も忘れて
あなたの手に抱かれてた
そんな愛の真似事(まねごと)も 忘れられない
今になれば何もない おさない愛でも

あの時は夏の嵐が
ちぎれ雲はこんで
しあわせの夢にかげりが
さしたように思ってた
若い日なら何もかも
許されるもの
そんな無茶(むちゃ)を信じてた
涙を流して
そして時が少しだけ うつり変って
すべて過去の想い出に 変ってしまった

ラララ……


14.シンデレラ・ハネムーン

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

いつでも二人は シンデレラ・ハネムーン
時計に追われる シンデレラ・ハネムーン
好(この)みの煙草(タバコ)あと一本になり
あなたはやるせない目をして見てる
肩でもいいわ しっかり抱いてよ
ルージュもいつか乾(かわ)いた色になり
言葉は一つおやすみ残すだけ

日ぐれにはじまる シンデレラ・ハネムーン
夜ふけに別れる シンデレラ・ハネムーン
このまま朝が訪れそうだけど
重(かさ)ねたくちびるがつめたくなって
せつなさなんか 教えてくれるの
シャッターおろすばかりの店先で
花など買ってふざけたふりをする

いつまでつづくの シンデレラ・ハネムーン
あなたと私は シンデレラ・ハネムーン
シャンプーした髪を夜風にさらし
あなたの口ぐせを思い出してる
しあわせだから いいじゃないかなの
私はひとり爪など切りながら
なぜだか重いためいきついている

ルルル……
私はひとり爪など切りながら
なぜだか重いためいきついている


15.銀河伝説

作詞:阿久悠
作曲:宮川泰

結ばれた心の糸は見えない
この目で結び目を確めたい
はなればなれであれば 尚のこと
ひとりひとりであれば 尚のこと
ふり仰げば銀河は空を流れ
人の世の愛も星のよう

※愛することは信じること
信じることは愛 愛すること※

半分の心と心 とりかえ
一つにつないでも まだ逢いたい
たったひとりの人を永遠に
たったひとつの愛を永遠に
目を閉じれば楽しい日々が浮かび
あのひとの星はいつも きらめいた

愛することは信じること
信じることは愛 愛すること

(※くり返し)


16.未完の肖像

作詞:阿久悠
作曲:筒美京平

誰でも一つだけは 物語が書けますね
自分を見つめてれば
愛も恋も描ける my story

人に会い また別れ
微笑みと 泣き顔を
くり返し つづけたら
知らぬ間に 時は過ぎ

見慣れた筈の 景色も変り
最初の出会いの 誰もがいなくなった
嫌いになった わけでもなくて
時代と云う名の いたずらでしょう

今であるなら もっと心に
残す努力を している筈のものを
あっさり 捨てたこともあった

だけどそれも 今思うだけで
生きることは ただ激しいだけ
時は流れ 日は移り変り
今日から また始まる

未完のままで 書きつづけたら
どんな素敵な 人生でしょう
揺れて揺られて さまよいながら
人を愛する心を なくさずに
私は 夢を抱いていたい

急ぎ足で 行く人もいるが
歩くことは まだ自然がいい
思いこめて 目をそらさないで
今日から また始まる

いつの日か あなた
いい女だねと 云ってね
私は 夢を抱いていたい

急ぎ足で 行く人もいるが
歩くことは まだ自然がいい
思いこめて 目をそらさないで
今日から また始まる