マサユキ天国

山本正之( インディペンデンス ) マサユキ天国歌詞
1.日本ジンダマンの歌


2.平安女流絵巻

作詞:山本正之
作曲:山本正之

むいーんむいーん ぽんぽんぽん
さらさらさらさらさ うっふふー

紫式部に 初めてカレシができた
ほそ腰なで髪 アイドル系のきらきら男の子
天才女流と 云われていても
恋の てにをは わからない 経験不足
朱雀通りの物陰で 抱き寄せられて
ドキン、ドキン、ドキン、つい、和歌を詠んじゃった
「あしびきに 十二単衣の袖擦るも
ぬがしたもうな わが胸小さき」
若き人にはわからずや 小さきものの大きさよ
さっさと逃げてく おとこのかぶらに 手を降りて
うつせみの あづさゆみ 筆をにぎりて ちはやぶる
ひと夜のうちに 書きすらめ
想いを念じ ほうじ茶煎じ お寺は卍 良い返事 源氏物語

清少納言が おかしなクルマに乗った
星から時から トリップ式の ゆらゆら牛車
感覚女流の まなこを染めて
平安の果ての平成の 景色が流れゆく
羅城門に雪降らず 花また咲かず
ドキン、ドキン、ドキン、つい、和歌を詠んじゃった
「いさなとり 太刀に変わりて たひち責む
許したもうな 我が胸苦しき」
先の人にはおもへずや 古ものの縁やも
浮かび消えゆく 町のやからに 眼を伏せて
かぎろひの あまのはら 筆をにぎりて あおによし
ひと夜のうちに 書きすらめ
春には桜 夏には神楽 秋にホワグラ 冬いくら 枕草子

むいーんむいーん ぽんぽんぽん
さらさらさらさらさ うっふふー

和泉式部は 夜毎にホテルを変えた
過ぐる日むかう日 レジャンド調の うすずみ几帳
哀憐女流と 云われるままに
人の情けのうたかたを 憂いて嘆く
五条高辻雁はつか 後朝あわせ
ドキン、ドキン、ドキン、つい、和歌を詠んじゃった
「あらざらむ この世の果ての 想い出に
今ひとたびの 逢うこともがな」
藤原孝標の女も 藤原道綱の母も
産みて産まれし 儚きものを露忍び
たらちねの からころも 筆をにぎりて つるぎたち
ひと夜のうちに 書きすらめ
蜻蛉日記 更級日記 シナモンニッキ 金メッキ 平安絵巻


3.アフリカ大陸美少女紀行

作詞:山本正之
作曲:山本正之

ンゴロンゴロの美少女は
レンタルビデオを借りてない
夕日を駆ける動物のパノラマ観ている
きょうも四角いゾウに乗り
白と黄色のサルがくる
長老の膝の上ながめていよう
おーいおーい ごはんだよ
えーいえーい すぐいくよ
ああキリマンジャロにキリンライオン悠々と
満天の星 絶えることない 大自然

ルワンダの美少女は
色鉛筆を待っている
東の島のともだちが送ってくれた
火を吹く棒に威されて
家族でキャンプにたどりつく
疲れても 寒くても 絵日記かこう
おーいおーい 毛布だよ
えーいえーい 薬だよ
ああビクトリア湖に滝のしぶき堂々と
揺るがぬ大地 きっとおとずれる 大静寂

カラハリの美少女は
タイトスカートはいてない
乾いた風がなでてゆく 素肌のコンシャス
森の向こうの贅沢が
どんどん砂漠を広げてく
水がめを抱きしめて井戸を探そう
おーいおーい 弟が
えーいえーい 産まれるよ
ああオカバンゴ盆地に 神の雫凌々と
河とかわりて 見護っている 大宇宙


4.がんばれこだま号

作詞:山本正之
作曲:山本正之

三河安城の デンマーク弁当が
食べたくて 飛び乗った 自由席
のぞみがなんだ ひかりがなんだ
がんばれこだま号


5.みちくさ髑髏

作詞:山本正之
作曲:山本正之

おい、そこのボーズ ばかにするなよ
おじさんの指は 戦争でふっとんだ
だけど 鉛筆書けるぞ ハモニカも吹けるぞ

さあ、みんなよく見ろ きょうだけだぞ
ほんものの銀粉 まぶしてできあがる
すごい 髑髏のおめんだ 自まんができるぞ

まず、このイガタに 粘土いれるぞ
九州の近く かんもん海峡の
ドロを よりわけ選んだ 特別製だぞ

さて、タコヤキのホセ はすにつきさし
ここがだいじだぞ 息止めくりっとな
ほおら おしいれの奥で 自分から光るぞ

おい、そこのボーズ お金もっといで
おじさんのことを しゃべるなよおとこだな
だけど 五時にしまうぞ それまでここだぞ

さあ、みんな五十円 ちょっとたかいぞ
おじさんはあした 四国へ飛行機だ
だけど らいげつ来れたら またここに来てやる


6.卒業すぎて

作詞:山本正之
作曲:山本正之

卒業の 一年後 ばったり会った
駅前通りの 花屋のあたり
自動車の 窓越しに 僕を呼ぶ
あの人二十歳の お姉さん

「運転免許を とりたて だから
怪我していいなら お乗りなさいな」
ハンドル握った 白い指
ダッシュボードに コンパクト

高校時代は テニス部で
同じ電車で 通ってた
かいま見る 横顔は大人びて
お化粧上手の お姉さん

「キミは大学どこだっけ
かわいい彼女はもういるの」
そんなの いないよ 一人だよと
あわてて つけた シガレット

あの頃は おはようとさよならの
あいさつだけの 人だった
明るくて 優しくて 健やかで
誰もに 好かれてた お姉さん

「吉良の海辺がすきだから
こうして時々眺めに来るの」
淋しげに 見つめてる 青い海
ハードトップに 波しぶき

一度だけ すきですと云いたくて
日暮れのグランド 待っていた
気がついて ほゝえんで 長い髪
風に揺らせた お姉さん

「おぼえているわよ あの日のキミを
云いたいことも わかってた」
そんなこと 今さら 気まずいよ
走る自動車に 笑い声

放課後の 校庭の 銀杏の下で
海ほうずきの唄 くちずさみ
夕焼けと コスモスとセーラー服が
誰より 似合ってた お姉さん

「お話ししすぎて疲れたみたい
どこかでひと息 休みましょうか」
ちょっとだけ ほゝえんだ くちびるが
赤く光った 日暮れどき


7.イケイケ池袋

作詞:山本正之
作曲:山本正之

いけふくろうで 待ち合わせ
今夜のデートは サンシャインシティー
ビックさくらや手をつなぎ ハンズでかくれんぼ
イケ イケ 池袋 ピアスが似あう街
東上線で行ける街だよ イケイケ池袋

ウィロードガード下 自転車おりて
くぐれば北口 おとなの遊び場所
ロマンス通りカラオケに 入りましょうか
イケ イケ 池袋 アンクレット似あう街
西武線で行ける街だよ イケイケ池袋

西口広場 カプリのスパゲッティ
松路のとんかつ 弥三郎のクリームうどん
ベララベラでお茶飲めば おばさんと仲良し
イケ イケ 池袋 パツキン似あう街
丸ノ内線で行ける街だよ イケイケ池袋

メトロポリタン ホテルの窓辺
千川あたりを 関東バス走ってく
立教大学落研が コンパで楽しそう
イケ イケ 池袋 ポケベル似あう街
埼京線で行ける街だよ イケイケ池袋

あなたと二人 きどらずのんびりと
夢を語って 明日は鬼子母神
芸術劇場見上げれば スケボーがぶつかる
イケ イケ 池袋 クラヤミ似あう街
荒川線で行ける街だよ イケイケ池袋

むかし新宿 おととし渋谷
今は豊島が 若人ひきつける
見久仁小路に人生横丁 二又交番
イケ イケ 池袋 ハンソデ似あう街
山手線で行ける街だよ イケイケ池袋


8.雪が降るから

作詞:山本正之
作曲:山本正之

北の国から 手紙が届く
おまえの声を 聞きたいってね
親戚どうし 電話もなくて
何が元気か 心配ないか
酒を飲もうか 話しをしよか
明日の夕暮れに 訪ねていくよ
雪、雪が降るから 旅に出る
雪、雪が降るから また会える

西の平野で 待ちこがれてた
おまえのこの頃 知りたいんだ
兄弟どうし 腕も組まずに
何が平和か 幸福なのか
まんじゅう二つに わって食べようか
明日の夜明けに 別れてゆくよ
雪、雪が降るから 旅に出る
雪、雪が降るから また会える

北の国でも 西の平野も
おまえの笑顔は かわらなかった
人間どうし 心閉じては
何が家族か 愛情なのか
子供がはしゃぐ 写真を見れば
遠くの夜空に 昔が浮かぶ
雪、雪が降るから 旅に出る
雪、雪が降るから また会える


9.空の探偵

作詞:山本正之
作曲:山本正之

大型の台風に 見舞われた夜中
セーターの上にオーバー その上にたんぜん
汗をがまんして 快晴を待ってた
九才の秋が 通り過ぎた
今、アスファルトの道を 歩いていると
足元の下から 伝わってくるよ
ここから出してよ 熱いよ 自由にしてよ
しゅくしゅくと生きてる 土の泣き声
人間の耳には聞こえない
電磁波のようなものが飛んで
アンドロメダあたりで回る
小さな球体に届けば
風の軍隊が 攻め込んでくるぞ 明日の星の天気予報

直下型の地震が 必ず起きるよと
新幹線のビュッフェで サラリーマンが予言する
汗をにじませて 一戸建を構えた
三十年の春が 通り過ぎた
今、86階の窓に手を添えたら
ノースウエストの機体が 線を引く
ここまでおいでよ 熱いよ チリをどけてよ
しゅくしゅくと生きてる 雲の涙
人間の瞳に映らない
光分波のようなものが飛んで
ベルセウスあたりで回る
きららな球体に届けば
水の皇帝が 治めにくるぞ 明日の星の天気予報

私がおもいっきり クシャミをしたら
机の上のノートが 5センチ移動する
そこに存在する 世界の様子は
台風 洪水 地震のさなか
そうだ、おんなじだ 星がひとつ流れたら
サバンナが生まれて タイガが無くなる
OK そこから出してあげるよ 熱いね 自由にしてあげるよ
しゅくしゅくと生きてる 土も雲も
人間の胸にだけ感じられる
愛のち怒り時々やさしい
大マゼランあたりで回る
さやかな球体に届けば
空の探偵が 救けにくるぞ 明日の星の天気予報

人間の誰もが知っている
晴れのち曇り時々うれしい
湿度と温度と呼吸が回り
散りばむ球体に届けば
風の軍隊が 護りにくるぞ 明日の星の天気予報

人間のひとりに聞こえたら
人間のふたりの瞳にみえる
電磁波と光分波が飛んで
私の球体に届けば
水の皇帝が 抱きしめにくるぞ 明日の星の天気予報

空の探偵が 救けにくるぞ 明日の星の天気予報


10.百万節

作詞:山本正之
作曲:山本正之

宇宙を出てから何光年
今じゃ地球の火山のマグマ
強い力で吹き上がり
風と水とに冷やされて
埋めた遺跡が 百万個

宇宙を出てから何光年
今じゃ大陸の草原のお馬さん
若いひずめで西東
ムチも荷物もなんのその
走った国境 百万里

宇宙を出てから何光年
今じゃアジアのジャングルのバイキン
熱と震えを呼び起こし
抗生物質と張り合って
倒した人間 百万人

宇宙を出てから何光年
今じゃ日本の機械の油
樽に詰められ輸入され
クルマ・ジェット機・ホッピング
使った恐竜 百万頭

宇宙を出てから何光年
今じゃ東京の
高層ビルの灯かり
為替・株式・テクノロジー
会議・接待の窓の果て
照らしたビジネス 百万社

宇宙を出てから何光年
今じゃ奥多摩のせせらぎの音
晴れた夜明けに富士山を
拝み望んで手を合わせ
吸ったオゾンが 百万トン

宇宙を出てから何光年
今日はボクらの誕生会
なんだかんだと生きてきた
なにはともあれ生きてゆく
もらった休みが 百万年


11.マイボーイ・クライスラー


12.うたがある