SHEEP

山崎まさよし SHEEP歌詞
1.Ticket to the paradise

作詞:山崎将義
作曲:山崎将義

真昼のせこい悪魔に出くわして
身ぐるみはぎ取られて
たのみの綱のI.Dも失って
店から閉め出される

ねえどこ行きゃ売ってくれるの
Ticket to the paradise

いつの間にやら女神も愛想尽かして
ツキにも見放されて
そこで唯一潜り込めたモーテルの
エアコンは壊れたまま

ねえどこ行きゃ売ってくれるの
Ticket to the paradise

おだやかな日差しの中
風に揺れるパームツリー
志半ばのカウボーイの夢

浅はかなイメージで揺れてる
できあいカリフォルニア
20%OFFのパッケージで
付加価値ぶら下げて
僕をそそのかす

地道に身を粉にして尽くしても
マージンでかすめ取られて
真夏のうだる暑さに魔が差して
自分を見失いそう

ねえどこ行きゃ売ってくれるの
Ticket to the paradise

青い青い芝生の庭
休日のバーベキュー
一世一代のマイホームの夢

浅はかな頭で考える
いつかはパイオニア
下書きもしないで描ける
薄っぺらい楽園は
僕をそそのかす


2.Passage

作詞:山崎将義
作曲:山崎将義

あこがれの場所までまだ遠く
長くわだちが続いてる
ときおり吹く砂まじりの風に
細い影が揺さぶられる

あの日の友の呼び声が
聞こえては消えてゆく

遠い昔に交わした約束を
心の隅に置いたまま
過ぎて行くありふれた日常の
ささいなことを気にしている

振り返って目をこらしても
ここからは遠すぎて

流れてく雲の途切れた先に
ずっと消えずあの星があるなら
その果てに夢を見続けること
僕はまだ出来るのだろうか

錆びついて誰も乗ることのない
車の横を通り過ぎる

いくつかの叶わぬ願いが
ぼんやりとなびいてる

いつかどこかで僕が疲れ果てて
一人立ち尽くしてしまった時に
何に思いをゆだねればいいのか
今は分からないけど

流れてく雲が途切れた先に
ずっと消えずあの星はあるから
その果てに夢を描き続けて
僕はまた歩き始める


3.カルテ

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

眠れない夜が三日も続いてる
電話が鳴り響き取ったらすぐ切れた
彼女のタマゴも期限を過ぎている

昔 わずらった古傷が痛みだす
網戸に挟まった昆虫が喘いでる
左目のまぶたがうまく閉じれない

ねえ 僕の思い過ごしだよね
ねえ どこも悪くないんだよね
ねえ お茶を濁すのはやめて
やっぱり一度診てもらったほうがいいのかな?

日頃気にしない占いの水瓶座が
こっちを振り返り不気味に笑ってる
君はこんな夜に何処に行ってるんだろう

ねえ 僕らはうまく行ってるよね
ねえ マンネリ嘆くのはやめて
ねえ どうしてはぐらかしてしまうの
今の内ならまだ間に合うはずだろう

ねえ 僕の思い過ごしだよね
ねえ 何処も悪くないんだよね
ねえ お茶を濁すのはやめて
ねえ 僕らはうまく行ってるよね

今の内ならまだ間に合うはずだろう


4.六月の手紙

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

僕の部屋の向いの家族が引っ越してって
子供のはしゃぐ声はもう聞こえてこない
つい先週のあたまから

新しい友達はちょっと神経質で
とっつきにくいけど根はいい奴で
なぜか気が合うみたい

シャツに袖をとおすたびに
ブーツをはき古すうちに

少し浮かれてみたりして
少し落ち込んだりもして

君に手紙を書いている

この前知り合いの結婚式に出て
スピーチでほんの少しひんしゅくを買った
花嫁に笑われた

たまにスーツを着るたびに
靴ずれで足が痛くて

少し喜んだりもして
少し寂しかったりもして

そっちの調子はどうですか?

ありきたりな言葉だけれど
それなりにうまくやってるよ

少し立ち止まったりもして
少し流されたりもして

とりとめもなく
六月の空の下
君に手紙を書いている


5.やわらかい月

作詞:山崎将義
作曲:山崎将義

笹の舟を 水辺に浮かべたまま
一人岸辺で 流せず見つめてる

暮れてゆく空に 慣れてくる頃
満ち足りた月は 水面をただよう

かたくなに何を 拒んできたのだろう
闇におびえて泣いたのは 遠い昔のことなのに

笹の舟は 風で少しゆれた
僕の影が 行方をさえぎって

やわらかい月に たどり着くまで
どれくらいの時が 流れればいい

かたくなに閉じたこの手を そっと開いて
思いが解き放たれてゆく それだけを祈ってる

まだこの心に光が あるのなら
ゆるしあえる日がきっと来る その時を信じてる


6.Mr.Tのリベンジ

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

太郎ちゃんもくろみもはずれて
チャンスを棒にふって
気付いたら抜け殻の毎日

あの時あの娘の誤解も解けないまま
なんだか
今宵も寝付きが悪かろに

しょうがないよとか
ついてないとか
慰めてみたけど
あんな終わりじゃやりきれないだろ

はやるその気持ちは分かるけど
勝算があるわけじゃないんだろ
冗談混じり強がってても
なんか声が震えているぞ
どうか起死回生のリベンジを

ところでタケシ君思わず口が滑って
引っ込みもつかなくて
また居直りかましやがって

頭痛いとか
熊が出たとか
言い訳を言うけど
しょせんやることは一つしかないだろ

分かったよもうじゃまはしないよ
せっぱ詰まってるみたいだから
そんなこわばった顔をしないで
ずっと君を見守ってるよ

はやるその気持ちは分かるけど
勝算があるわけじゃないんだろ
冗談混じり強がってても
なんか声が震えているぞ
どうか汚名返上のリベンジを


7.低気圧ボーイ

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

はるか南の低気圧は
君といた夏をぬらしてる

ただ何となくキスして
淡い時に酔いしれた
あの海からまだ帰れない

浮かれたパーティの後
ほてった体のまま
夜の向こう側に
僕ら見てた
ありふれたまぼろし

そして南の低気圧は
明日には台風に変わるみたい

ラムネ カラカラ飲み干して
サンダルの砂を落とした
あの海にはもう誰もいない

けだるい午後の街
揺れるタクシーの中
途切れるラジオから
聞こえてきたおきまりのサマーナンバー

残ってる花火の跡も
くすぶった君の気配も
やがて来る雨に消されるだろう

浮かれたパーティの後
ほてった体のまま
夜の向こう側に
僕ら見てたまぼろし
ありふれたまぼろし
聞こえてきたサマーナンバー
おきまりのサマーナンバー


8.砂時計

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

なぜかいかがわしいうわさが耳につく
君が軽薄な街を泳ぎだす

最後の言葉もやりきれない気持ちも
まだこの身は覚えてるのに

まともじゃいられないよ 本当のことを知るたび
えぐられた傷は思いのほか心蝕んでく
真綿でじわじわこの首を締め付けられて
屈辱にひざまずく先に
よごれていってしまう君を見ている

何か艶かしい儀式のシルエット
得体の知れない影が君を抱いてる

触れたくちびるのすべる感触さえ
まだこの身から消えてないのに

冷静じゃいられないよ ガラスごし君を見るたび
つきつけられたそのありさまが背骨を締め付ける
我慢できないよ いっそのこと気を失いたいよ
とぎれそうな意識の向こうに
罪の終わりを待つ砂時計

最後の言葉もやりきれない気持ちも
まだこの身は覚えてるのに

まともじゃいられないよ 本当のことを知るたび
えぐられた傷は思いのほか心蝕んでく
真綿でじわじわこの首を締め付けられて
屈辱にひざまずく先に
夜の終わりを待つ砂時計


9.ある朝の写真

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

明け方に部屋に帰った
留守電にし忘れてた

中に干した洗濯物は
片隅でまだ乾かない

草が茂ってた空き地には
もう新しい家が建ってる

※どれくらい僕は変わったろう?
同じような日々過ごすうちに
無くした物はあるのかな
どこかの駅の始発が動きだす※

君と撮った少ない写真を
引き出しから出してみた

当たり前に笑っているけど
少し色褪せてるみたいだ

あれから何故かこのところ
親とも折り合いがよくない

どれくらい僕は変わったろう?
同じようなことくり返して
大事な物は何ですか
今日は一日曇り空らしい

(※くり返し)


10.アヒルちゃん

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

疑いのない目でどうか なつかないで
塗りつぶしたはずの過去がのぞくたび
むき出しの良心がつつかれる
ふところの秘密がこぼれそう
ハートを握りつぶしたくなる

愛おしい君のこと 想うたび
しまい込んだ出来事が重くなる
耳もとで囁く声がする
告白をそっとうながしてる
全てをうやむやにしてしまいたい

僕が嘘をついてたこと
いつ君の前で打ち明けようか
あれは実は成りゆきだよと
今さらそんなこと言って どうなるんだろ

忘れちゃうほど そんなにバカじゃないし
いなおるほど 心はタフじゃないし
逃げ出すほど 卑怯になれないし
つくろうほど 賢くもないから
鏡の中の姿 歪んでゆく

いつも都合の良い解釈で
僕の心はすり変わってく
けなげな君が信じ込んで
いつか傷つけるそれだけが恐いんだ

僕が嘘をついてたこと
いつ君の前で打ち明けようか
全てをさらけ出したところで
変えられないこのいやしさよ


11.オークション

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

分かってたつもりだけど
案の定君を怒らせてる
おさまりがつかなくて
また始まった不毛のオークション

楽に競り落とせるほど
二人のプライドは安くない
つり上がるその値段に
いったいどのへんで手を打てばいいんだろう

膨らんでゆくよ
歯止めのきかない二人の理想が
溢れてゆくよ
僕らが今いるこの狭い部屋から

隠してたわけじゃないけど
大事なことを言い出せずに
すれ違ってる間に
溜まり溜まってく不満のコレクション

無償で譲り合うほど
気前のいい大人じゃないし
そうこうしてる間に
ふいに誰かに幸せ奪われそう

つり合わないよ
勝手なイーブン計りにかけても
望んでるものはきっと
どこにもしまいきれない気がして

いったいどのへんで手を打てばいいんだろう

膨らんでゆくよ
歯止めのきかない二人の理想が
溢れてゆくよ
僕らが今いるこの狭い部屋から

つり合わないよ
勝手なイーブン計りにかけても
望んでるものはきっと
どこにもしまいきれない気がして


12.審判の日

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

君を惑わす官能のビーナス
おしげもなく愛を語ってる
あげくの果てが安っぽいカタルシス

やみくもに磨きかけても
幸せの意味はいつもくすんでる
気付きゃ夢見る頃は過ぎて
知らない間にしわも増えてく

Everybody's worried about the judgment day
結末を気にしてるくせに
There is nobody afraid of the judgment day

僕につきまとう全能のジーザス
まことしやかに囁きかける
しまいにゃひな壇で居眠りのカリスマ

こだわり持ち続けても
なぜか心はいつもクタクタ
毎夜自分を慰めすぎて
油断してるとお腹も出ちゃう

Everybody's worried about the judgment day
ページのぬけてる黙示録
There is nobody afraid of the judgment day

いつかやってくるその日のことを


13.灯りを消す前に

作詞:YAMAZAKI MASAYOSHI
作曲:YAMAZAKI MASAYOSHI

眠る前に一つだけ
確かめておきたいこと
一日が終わるときに
灯りを消す前に

目を閉じた暗闇に
君の姿映ればいい
何気ない言葉でも
僕だけに響けばいい

たとえば今日という日に
少しの寂しさ残したとしても
僕らの選んだことが
本当はどこか間違ってたとしても

もし心病めるときも
同じ痛み刻めればいい
人波にのまれそうでも
君の手さえ離さなきゃいい

たとえば明日という日に
悲しみの影を落とすことになっても
確かに言えることは
ただ一つだけこんなに愛してる

眠る前に一つだけ
確かめておきたいこと
灯りを消す前に
瞳を閉じる前に