彩影

小椋佳 彩影歌詞
1.愛しき日々

作詞:小椋佳
作曲:堀内孝雄

風の流れの 激しさに 告げる想いも 揺れ惑う
かたくなまでの ひとすじの道
愚か者だと 笑いますか
もう少し時が ゆるやかであったなら

雲の切れ間に 輝いて 空しい願い また浮ぶ
ひたすら夜を 飛ぶ流れ星
急ぐ命を 笑いますか
もう少し時が 優しさを投げたなら

愛しき日々の はかなさは
消え残る夢 青春の影

気まじめ過ぎた まっすぐな愛
不器用者と 笑いますか
もう少し時が たおやかに過ぎたなら
愛しき日々は ほろにがく
一人夕陽に浮かべる涙

愛しき日々の はかなさは
消え残る夢 青春の影


2.俺たちの旅

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

夢の坂道は 木の葉模様の石畳
まばゆく長い白い壁
足跡も影も残さないで
たどりつけない山の中へ
続いているものなのです

夢の夕陽は コバルト色の空と海
交わってただ遠い果て
輝いたという記憶だけで
ほんの小さな一番星に
追われて消えるものなのです

背中の夢に浮かぶ小舟に
あなたが今でも手をふるようだ
背中の夢に浮かぶ小舟に
あなたが今でも手をふるようだ

夢の語らいは 小麦色した帰り道
畑の中の戻り道
ウォーターメロンの花の中に
数えきれない長い年月
うたたねをするものなのです

背中の夢に浮かぶ小舟に
あなたが今でも手をふるようだ
背中の夢に浮かぶ小舟に
あなたが今でも手をふるようだ


3.泣かせて

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

楽しい思い出ばかりなんて言わないで
こんなときに何のなぐさめにもならない
泣かせて 泣かせて
男にはできないことだもの
泣かせて 泣かせて
自分がくやしいだけよ

何も考えずにただひたすら愛した
ばかで可愛い私が心にうずくまる
泣かせて 泣かせて
これもひとときのことだもん
泣かせて 泣かせて
美しくなくてもいいわ

あなたの言葉より
今は安い流行歌の方がまし
悲しいことはどんな化粧したって
悲しいのです

泣かれた男のみっともなさを気にして
そんなことでぶざまにもじもじしないで
泣かせて 泣かせて
あなたは早く行きなさい
泣かせて 泣かせて
雨あがりは晴れるものよ

あなたの言葉より
今は安い流行歌の方がまし
悲しいことはどんな化粧したって
悲しいのです


4.愛燦燦

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

雨 潸々と この身に落ちて
わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして
人は哀しい 哀しいものですね

それでも過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

風 散々と この身に荒れて
思いどおりにならない夢を 失くしたりして
人はかよわい かよわいものですね

それでも未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね

愛 燦々と この身に降って
心秘そかな嬉し涙を 流したりして
人はかわいい かわいいものですね

ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね


5.古城の月

作詞:阿久悠
作曲:小椋佳

ひとり 古城にたたずめば
時の流れの音がする
むかし詩を読む人がいて
哀れといった月の影
酒くみかわせ 若者よ
琴つまびけよ 乙女ごよ
古城は風と月ばかり

夢は砕けて夢と知り
愛は破れて愛と知り
時は流れて時と知り
友は別れて友と知る

花に見とれる日もあれば
松のそよぎに泣く時も
思いたどれば幾年の
姿が胸によみがえる
文読みかえせ 若者よ
恋抱きしめよ 乙女ごよ
古城は風と月ばかり


6.演歌みたいな別れでも

作詞:中山ラビ・小椋佳
作曲:小椋佳

どうはかない 夢だったのと
下手な台詞は 云わないでくれ
会えば涙が つらさを増すと
手紙ならまだ 許せもするが
なりゆきだけの 恋だったのか
演歌みたいな 別れだね

赤羽行きの 夜更けの電車
秋色深い 肩に揺れて
あの日にかけた お前の目には
真もどきの 光が見えて
一緒にいたい 気にもなったよ
演歌みたいな 別れでも

愛のわだちが いとおしくなる
泥をはらって 抱きたくなるよ

冬の深さに 閉ざした心
旅のそぞろに 野火たく夜は
人恋しさに 帰りたくなる
さよなら云わず 離れたことに
少しあかりを 捜したりする
演歌みたいな 別れでも

愛のわだちを たどりたくなる
泥をはらって 追いたくなるよ


7.I LOVE YOU

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

両手で 指で
数える だけの
恋なら 捨てよう

両手で 抱いて
あふれる ほどの
君への 想いさ

君を視つめて生きる
時こそ僕のためと
優しさが透きとおる
Now, I Love You

初めて 一人
眺めた 海を
そのまま あげよう

初恋 よりも
広くて 深い
想いを 満たして

無駄に過ごした日々も
めぐり逢う日のためと
思い出も暖かい
Because, I Love You

心の 素肌
寄せ合い ながら
季節を 訪ねよう

心に 君を
吸い込む 朝の
目覚めの まぶしさ

何故か湧きたつ夢も
力も 君のためと
嬉しさを抱きしめる
So, I Love You

孤独さえ 溶けて行く
Now, I Love You


8.シクラメンのかほり

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

真綿色したシクラメンほど清しいものはない
出逢いの時の君のようです
ためらいがちにかけた言葉に
驚いたようにふりむく君に
季節が頬をそめて過ぎてゆきました

うす紅色のシクラメンほどまぶしいものはない
恋する時の君のようです
木もれ陽あびた君を抱けば
淋しささえもおきざりにして
愛がいつのまにか歩き始めました

疲れを知らない子供のように
時が二人を追い越してゆく
呼び戻すことができるなら
僕は何を惜しむだろう

うす紫のシクラメンほど淋しいものはない
後ろ姿の君のようです
暮れ惑う街の別れ道には
シクラメンのかほりむなしくゆれて
季節が知らん顔して過ぎてゆきました

疲れを知らない子供のように
時が二人を追い越してゆく
呼び戻すことができるなら
僕は何を惜しむだろう


9.ただお前がいい

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

ただ お前がいい わずらわしさに
投げた小石の 放物線の軌跡の上で
通り過ぎてきた 青春のかけらが
飛びはねて見えた

その照り返しを その頬に 映していた お前
また会う 約束など することもなく
それじゃ またなと 別れるときの お前がいい

ただ お前がいい 落とすものなど
何にも無いのに 伝言板の左の端に
今日も 又ひとつ 忘れものをしたと
誰にともなく書く

その繰り返しを その帰り道に笑う お前
また会う 約束など することもなく
それじゃあ またなと 別れるときの お前がいい

その照り返しを その頬に 映していた お前
また会う 約束など することもなく
それじゃ またなと 別れるときの お前がいい


10.遥かな轍

作詞:小椋佳
作曲:堀内孝雄

こうとしか生きようのない人生がある

いつかお前が したのまぶたに
涙浮かべて 熱く語った
あの日 二人の にぎりこぶしも
想い映して 汗ばんでいた

心の中に それぞれの
聞きわけの悪い わらべ心さわぎ
重なり合わぬ 虹飛んでいた

逢えばお前は 今も変わらず
燃えるまなざし 投げつけてくる

その眼の中で 愚かしく
いとおしむように 夢抱きしめなおす
自分に何故か 歓んでいる

こうとしか 生きようのない人生がある
せめて 消えない 轍を残そうか

男の中の 蒼くさい
狂おしい夢が 激しく 駆けぬけて
遥かな轍 描(か)き込んでいる

こうとしか生きようのない人生がある
せめて 消えない 轍を残そうか


11.夢芝居

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

恋のからくり夢芝居
台詞ひとつ 忘れもしない
誰の筋書き 花舞台
行く先の影は見えない

男と女あやつりつられ
細い絆の糸引き引かれ
稽古不足を幕は待たない
恋はいつでも初舞台

恋は怪しい夢芝居
たぎる思い おさえられない
化粧 衣裳の 花舞台
垣間見る素顔可愛い

男と女あやつりつられ
心の鏡 のぞきのぞかれ
こなしきれない 涙と笑い
恋はいつでも初舞台

男と女あやつりつられ
対のあげはの誘い誘われ
心はらはら舞う夢芝居
恋はいつでも初舞台


12.傾いた道しるべ

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

幸せの中で
つきあたりを見ることはありませんか
訪ねくるゆらめきは 秋の旅人
光をぬけて わきたつまきかぜ
心の中の三叉路で
傾いた道しるべ
君の愛がささえています

幸せのはずが
まゆを寄せてほヽづえをついているのは
めぐりくるゆらめきか 冬の足音
誰にでもある 一人のためいき
心の中の三叉路で
傾いた道しるべ
君の愛がささえています

幸せの中で
つきあたりを見ることはありませんか
三叉路ばかりの 道しるべもない
僕の道を
君も歩いてくれるんですね

三叉路ばかりの 道しるべもない

ラララ…… ラララ……