1.結婚しようよ
作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
僕の髪が肩までのびて
君と同じになったら
約束どおり 町の教会で
結婚しようよ whm…
古いギターをボロンと鳴らそう
白いチャペルが見えたら
仲間を呼んで 花をもらおう
結婚しようよ whm…
もうすぐ春がペンキを肩に
お花畑の中を 散歩にくるよ
そしたら君は窓をあけて
エクボを見せる僕のために
僕は君を さらいにくるよ
結婚しようよ whm…
雨が上って 雲のきれ間に
お陽様さんが 見えたら
ひざっこぞうを たたいてみるよ
結婚しようよ whm…
二人で買った緑のシャツを
僕のおうちの ベランダに並べて干そう
結婚しようよ 僕の髪は
もうすぐ肩まで とどくよ
2.今日までそして明日から
作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
わたしは今日まで生きてみました
時にはだれかの力を借りて
時にはだれかにしがみついて
わたしは今日まで 生きてみました
そして今 私は思っています
明日からも
こうして生きて行くだろうと
わたしは今日まで生きてみました
時にはだれかをあざ笑って
時にはだれかにおびやかされて
わたしは今日まで生きてみました
そして今 私は思っています
明日からも
こうして生きて行くだろうと
わたしは今日まで生きてみました
時にはだれかにうらぎられて
時にはだれかと手をとり合って
わたしは今日まで生きてみました
そして今 わたしは思っています
明日からも
こうして生きて行くだろうと
わたしにはわたしの生き方がある
それはおそらく自分というものを
知るところから始まるものでしょう
けれど それにしたって
どこで どう変わってしまうか
そうです わからないまま生きて行く
明日からの そんなわたしです
わたしは今日まで生きてみました
わたしは今日まで生きてみました
わたしは今日まで生きてみました
そして今 わたしは思っています
明日からも
こうして生きて行くだろうと
3.ある雨の日の情景
作詞:伊庭啓子・補作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
バスが止まって 外は雨がふっている
ガラス窓に いっぱい並んだ雨だれの
むこうで誰かが タバコに 火をつけた
それから人は 皆 傘をさして
まるで心を 傘でかくせるみたいに
そして 黙って 雨の中を歩いてる
それから雨は どこかの風と一緒に
茶色のハッパを一枚 落としていった
それから 皆 雨にぬれて歩いてる
雨の中を バスは動き出した
4.春だったね
作詞:田口淑子
作曲:吉田拓郎
僕を忘れた頃に
君を忘れられない
そんな僕の手紙がつく
くもりガラスの窓をたたいて
君の時計をとめてみたい
あゝ僕の時計はあの時のまま
風に吹きあげられたほこりの中
二人の声も消えてしまった
あゝ あれは春だったね
僕が思い出になる頃に
君を思い出にできない
そんな僕の手紙がつく
風に揺れるタンポポをそえて
君の涙をふいてあげたい
あゝ僕の涙はあの時のまま
広い河原の土手の上を
ふり返りながら走った
あゝ あれは春だったね
僕を忘れた頃に
君を忘れられない
そんな僕の手紙がつく
くもりガラスの窓をたたいて
君の時計をとめてみたい
あゝ僕の時計はあの時のまま
風に吹きあげられたほこりの中
二人の声も消えてしまった
あゝ あれは春だったんだね
5.旅の宿
作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
浴衣のきみは尾花の簪
熱燗徳利の首つまんで
もういっぱいいかがなんて
みょうに色っぽいね
ぼくはぼくで趺坐をかいて
きみの頬と耳はまっかっか
ああ風流だなんて
ひとつ俳句でもひねって
部屋の灯をすっかり消して
風呂あがりの髪いい香り
上弦の月だったっけ
ひさしぶりだね
月みるなんて
ぼくはすっかり酔っちまって
きみの膝枕にうっとり
もう飲みすぎちまって
きみを抱く気にもなれないみたい
6.祭りのあと
作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
祭りのあとの淋しさが
いやでもやってくるのなら
祭りのあとの淋しさは
たとえば女でまぎらわし
もう帰ろう、もう帰ってしまおう
寝静まった街を抜けて
人を怨むも恥ずかしく
人をほめるも恥ずかしく
なんのために憎むのか
なんの怨みで憎むのか
もう眠ろう、もう眠ってしまおう
臥待月の出るまでは
日々を慰安が吹き荒れて
帰ってゆける場所がない
日々を慰安が吹きぬけて
死んでしまうに早すぎる
もう笑おう、もう笑ってしまおう
昨日の夢は冗談だったんだと
祭りのあとの淋しさは
死んだ女にくれてやろう
祭りのあとの淋しさは
死んだ男にくれてやろう
もう怨むまい、もう怨むのはよそう
今宵の酒に酔いしれて
もう怨むまい、もう怨むのはよそう
今宵の酒に酔いしれて
注意:三連目“日々を慰安が吹き荒れて”は、
吉野弘氏の詩の一行を借りました。
7.たどり着いたらいつも雨降り
作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
疲れ果てている事は
誰にも隠せはしないだろう
ところが俺らは何の為に
こんなに疲れてしまったのか
今日という日が
そんなにも大きな一日とは思わないが
それでもやっぱり考えてしまう
あゝ このけだるさは何だ
いつかは何処かへ落着こうと
心の置場を捜すだけ
たどり着いたらいつも雨降り
そんな事のくり返し
やっとこれで俺らの旅も
終ったのかと思ったら
いつもの事ではあるけれど
あゝ ここもやっぱりどしゃ降りさ
心の中に傘をさして
裸足で歩いている自分が見える
人の言葉が右の耳から左の耳へと通りすぎる
それ程頭の中はからっぽになっちまってる
今日は何故か穏やかで
知らん顔してる自分が見える
8.夏休み
作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
麦わら帽子は もう消えた
たんぼの蛙は もう消えた
それでも待ってる 夏休み
姉さん先生 もういない
きれいな先生 もういない
それでも待ってる 夏休み
絵日記つけてた 夏休み
花火を買ってた 夏休み
指おり待ってた 夏休み
畑のとんぼは どこ行った
あの時逃がして あげたのに
ひとりで待ってた 夏休み
西瓜を食べてた 夏休み
水まきしたっけ 夏休み
ひまわり 夕立 せみの声
9.おきざりにした悲しみは
作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
生きてゆくのは ああ みっともないさ
あいつが死んだ時も
おいらは飲んだくれてた
そうさ おいらも罪人のひとりさ
ああ また あの悲しみを
おきざりにしたまま
まつりごとなど もう問わないさ
気になることといえば
今をどうするかだ
そうさ あいつとうまくやらなければ
ああ また あの悲しみを
おきざりにしたまま
おまえだけは もう裏切らないさ
激しさが色褪せても
やさしさだけ抱きしめて
そうさ おまえは女だからね
ああ また あの悲しみを
おきざりにしたまま
おきざりにした あの悲しみは
葬るところ
どこにもないさ
ああ おきざりにした あの生きざまは
夜の寝床に抱いてゆくさ
ああ おきざりにした あの生きざまは
夜の寝床に抱いてゆくさ
10.金曜日の朝
作詞:安井かずみ
作曲:吉田拓郎
トロリトロトロ 眼がさめる
霧もはれてた 赤い屋根
チェックのカーテンごしに(チェックの陽ざしが)
ぼくの足をくすぐる
だけど今でも気にかかる
君は突然出ていった
旅で見つけた運動ぐつ
はきなれたあの白いくつ
つっかけて 消えたまま
背中まるめて 歩くたび
ぼくがうろつく この街は
何故かパリーに似ている(やさしい女の)
ため息なんか 聞きたい
だけど今でも気にかかる
君はセーター肩にかけ
かかとつぶした運動ぐつ
夏を歩いた白いくつ
恋といっしょに 消えたまま
洗いざらしの ブルージーン
残ったお金が あと少し
気にするほどのわるい事(ないなら土曜日)
バラでも買って帰ろう
だけど今でも気にかかる
君と映画を見た帰り
小雨にぬれた運動ぐつ
赤いドアに脱ぎすてた
いつのまにやら 消えたまま
11.伽草子
作詞:白石ありす
作曲:吉田拓郎
雨もふりあきて
風もやんだようだね
つい今しがたまで
ドンチャン騒いでた街が
ひっそりかんと
ひざを正してさ
静かだねー 静かだねー
夢でも食べながら
もう少し 起きてようよ
君も少しは
お酒を飲んだらいいさ
おぼえたての歌を
唄ってほしい夜だ
スプーンもお皿も
耳をすましてさ
ああいいネー ああいいネー
泣き出しそうな声で
もう少しいきますか
雲が飛ばされて
月がぽっかりひとり言
こんな空は昔
ほうきに乗った
魔法使いのものだったよと
悲しい顔してさ
君の絵本を 閉じてしまおう
もう少し幸せに
幸せになろうよ
12.ビートルズが教えてくれた
作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
髪と髭をのばして ボロを着ることは簡単だ
うじうじと吹き溜りのスナックで
腕を組みながら
考え深そうな顔をするのも楽にできる
日陰ばかりを好んでいては
いじけてしまうんだぜ
もっと陽気であっていいんじゃないか
もっと陽気でもいいんじゃないか
勲章を与えてくれるなら
女王陛下からもらってしまおう
女王陛下はいい女だから
つきあってみたいと思う
それも自由だとビートルズは教えてくれた
くれるものはもらってしまえ
欲しいものはものにしたい
その代わり捨てるのも勝手さ
もらうも捨てるも勝手さ
ビートルズが教えてくれた
ビートルズが教えてくれた
ビートルズが
人が幸せになるのを
批判する権利は誰にもない
みんな 幸せになっていいんだ
人に迷惑さえかけなければね
ビートルズが教えてくれた
ビートルズが教えてくれた
ビートルズが
ビートルズが教えてくれた
ビートルズが教えてくれた
ビートルズが
13.シンシア
作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
なつかしい人や 町をたずねて
汽車を降りてみても
目に写るものは 時の流れだけ
心がくだけて行く
帰ってゆく場所もないのなら
行きずりのふれあいで
なぐさめ合うのもいいさ
シンシア そんな時 シンシア 君の声が
戻っておいでよと唄ってる
君の部屋のカーテンやカーペットは
色あせてはいないかい
人ごみにかくれて 肩をすぼめて
自分を見つめた時
過ぎ去った夢が くずれ落ちる
長い夜が終わる
夜空は町に落ち 人々が
笑いながら通りすぎる
あの日と同じ所を
シンシア そんな時 シンシア 君の声が
戻っておいでよと唄ってる
君の部屋に僕一人居てもいいかい
朝を待つのがこわいから
シンシア 帰る場所も シンシア ないのなら
シンシア 君の腕で シンシア 眠りたい
14.人生を語らず
作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎
朝日が 昇るから
起きるんじゃなくて
目覚める時だから 旅をする
教えられるものに 別れを告げて
届かないものを 身近に感じて
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず
嵐の中に 人の姿を見たら
消えいるような 叫びをきこう
わかり合うよりは たしかめ合う事だ
季節のめぐる中で 今日をたしかめる
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず
あの人のための 自分などと言わず
あの人のために 去り行く事だ
空を飛ぶ事よりは 地をはうために
口を閉ざすんだ 臆病者として
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず
おそすぎる事はない 早すぎる冬よりも
始発電車は行け 風を切ってすすめ
目の前のコップの水を ひと息にのみほせば
傷もいえるし それからでもおそくない
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず
今はまだまだ 人生を語らず
目の前にも まだ道はなし
越えるものは すべて手さぐりの中で
見知らぬ旅人に 夢よ多かれ
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず
15.襟裳岬
作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
北の街ではもう 悲しみを暖炉で
燃やしはじめてるらしい
理由のわからないことで 悩んでいるうち
老いぼれてしまうから
黙りとおした歳月を
ひろい集めて 暖めあおう
襟裳の春は 何もない春です
君は二杯目だよね コーヒーカップに
角砂糖をひとつだったね
捨てて来てしまった わずらわしさだけを
くるくるかきまわして
通りすぎた夏の匂い
想い出して 懐かしいね
襟裳の春は 何もない春です
日々の暮しはいやでも やってくるけど
静かに 笑ってしまおう
いじけることだけが 生きることだと
飼い馴らしすぎたので
身構えながら話すなんて
ああ おくびょう なんだよね
襟裳の春は 何もない春です
寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ
16.落陽(LIVE)
|