1.ブンガチャ節
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
あの娘いい娘だ こっち向いておくれ
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
すねて横向きゃ なおかわい
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
恋の病いに お医者をよんで
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
氷枕で 風邪ひいた
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
咲いておくれよ 淋しい頬に
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
熱いくちづけ 紅の花
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
そっと渡した 名刺の裏に
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
こんど逢う日が 書いてある
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
夢がふるふる 夜ふけの街に
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
そんなつもりで 雨んなか
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
他人は逢わなきゃ さめるとゆうが
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
俺は逢わなきゃ なおもえる
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
胸のなかには 涙が泳ぐ
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
注いでくれるな 泣けてくる
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
暇とお金が できたらいこうよ
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
月の世界へ ふたりづれ
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
2.なみだ船
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
涙の終わりの ひと滴
ゴムのかっぱに しみとおる
どうせおいらは ヤン衆かもめ
泣くな怨むな 北海の
海に芽をふく 恋の花
クルクル 帆綱を 巻きあげて
暁の千島を 忍び立ち
あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
舵であやつる 舟のよに
女心は ままならぬ
惚れたら 遠慮は できまいが
いやというなら ぜひもない
夢をみるなよ ヤン衆かもめ
にしん枕に 北海の
月に哀しや 泪船
3.男の友情
作詞:高野公男
作曲:船村徹
昨夜(ゆうべ)も君の 夢見たよ
なんの変りも ないだろね
東京恋しや 行けぬ身は
背のびして見る 遠い空
段々畑の ぐみの実も
あの日のまゝに うるんだぜ
流れる雲は ちぎれても
いつも変らぬ 友情に
東京恋しや 逢いたくて
風に切れ切れ 友の名を
淋しく呼んだら 泣けて来た
黄昏赤い 丘の径
田舎の駅で 君の手を
ぐっとにぎった あの温み
東京恋しや 今だって
男同士の 誓いなら
忘れるものかよ この胸に
抱きしめながら いる俺さ
4.ギター仁義
作詞:嵯峨哲平
作曲:遠藤実
雨の裏町 とぼとぼと
俺は流しの ギター弾き
“おひけえなすって
手前ギター一つの
渡り鳥にござんす”
峠七坂 手を振って
花の都へ 来てから五年
とんと うきめの 出ぬ俺さ
風の冷たさ 身に沁みる
俺は落葉か ギター弾き
“おひけえなすって
手前おけさおけさの
雪の越後にござんす”
故郷想えば 初恋の
死んだあの娘も 生きてりゃ廿才
俺もあん時ゃ うぶだった
情け横丁 今晩は
俺は流しの ギター弾き
“おひけえなすって
手前宿なし雀の
流れ者にござんす”
暗い酒場の 片隅で
そっと笑った 空似の人の
何故か気になる 泣き黒子
5.ソーラン仁義
作詞:半田耕吉
作曲:成田武夫
手前生まれは
ソーラン節の
歌でなじみの 北海生まれ
夜の酒場を 露路裏づたい
流す男の 仁義には
意地と苦労が しみている
手前ひとりで
津軽を越えた
ケチな野郎さ 道産子かもめ
ギターゆこうか のれんをわけりゃ
一つ頼むと声かける
意気がとけあう 人もある
手前生まれは
しぶきがかかる
銀のウロコの にしん場育ち
惚れたあの娘も 待ってはいまい
風の噂じゃ 他人の妻
そうだ忘れて 生きるのさ
6.三郎太鼓
7.兄弟仁義
作詞:星野哲郎
作曲:北原じゅん
親の血をひく 兄弟よりも
かたいちぎりの 義兄弟
こんな小さな 盃だけど
男いのちを かけてのむ
義理だ恩だと 並べてみたら
恋の出てくる すきがない
あとはたのむと かけ出す露路に
ふるはあの娘の なみだ雨
俺の目をみろ 何んにもゆうな
男同志の 腹のうち
ひとりぐらいは こういう馬鹿が
居なきゃ世間の 目はさめぬ
8.帰ろかな
9.男の涙
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
おまえを一人で 死なせるものか
死ぬときゃおれも 一緒だよ
苦労ばっかり かけてきた
ばかな男の 目になみだ
あまえておくれよ むしゃぶりついて
今夜はやけに 寒いなあ
医者がみすてた からだでも
きっと癒すぜ このおれが
云うてくれるな すまないなどと
妻という名は だてじゃない
来年春にゃ ふたりして
観音さまへ 詣ろうなァー
10.函館の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ
函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる
迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ
11.博多の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
ひとの妻とも 知らないで
おれはきたんだ 博多の町へ
逢わなきゃよかった 逢わないで
夢にでてくる 初恋の
君をしっかり だいていたかった
夜の那珂川(なかがわ) 肩よせて
ゆけばしくしく 泣くさざ波よ
ゆるして下さい ゆるしてと
わびる姿が いじらしく
おれはなんにも 言えなかったのさ
それじゃゆくぜと 背を向けて
夜の中洲(なかす)へ 逃げてはみたが
まぶたをあわせりゃ 浮かぶのさ
俺はやっぱり あの頃の
君をさがして 明日に生きるのさ
12.薩摩の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
義理あるひとに 背を向けて
別れてきたと 君は泣く
雨がふるふる 天文館通の
青いランプに 身をよせりゃ
ああ 悲恋の旅の ドラが鳴る
信じていたよ この胸に
いつかは帰る 女だった
肩へ廻した 男の腕に
ぐっと力を いれながら
ああ 仰げば燃える 桜島
いままで泣いた かなしみは
かならず俺が とりかえす
やがて出船の 合図はあるが
故郷で待てよと ささやけば
ああ 錦江湾に 陽がのぼる
13.仁義
作詞:星野哲郎
作曲:中村千里
(セリフ)お控えなすって!手前 生国と
発しまするところ関東です
天に一つの陽があるように
この世に道理がなくてはならぬ
どんな立派な素ぶりより
ひとはこころだ
こころをすててどこへゆく
(セリフ)早速のお控え有難うござんす
義理で始まり仁義で終る
いっぽん道だよおいらの旅は
どうせ短い いのちなら
ぱっと燃やして
世間の隅を 照らしたい
(セリフ)お見かけ通りの若輩者です
以後よろしゅうお頼み申します
ばかとあほうの兄弟がらす
あばよで別れて行こうじゃないか
男同志で のむ酒がなぜか今夜は
ひとしお胸にしみるのさ
14.加賀の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
君と出逢った 香林坊の
酒場に赤い 灯がともる
ああ 金沢は 金沢は
三年前と おんなじ夜が
静かに俺を 待ってる町だ
忘れられよか 天神橋の
たもとにのこる 物語り
ああ あの女も あの女も
おもいの糸の 細白糸を
かけるか遠い 都の空に
謡曲がふるふる 加賀宝生の
木洩れ陽青い 石だたみ
ああ 金沢は 金沢は
身も世もすてて あなたのために
生きると云った 君住む町よ
15.歩
作詞:関沢新一
作曲:安藤実親
肩で風きる 王将よりも
俺は持ちたい 歩のこころ
勝った負けたと 騒いじゃいるが
歩のない将棋は 負け将棋
世間歩がなきゃ なりたたぬ
あの娘いい娘だ 離れもせずに
俺を信じて ついてくる
みてろ待ってろ このまますまぬ
歩には歩なりの 意地がある
いつかと金で 大あばれ
前に出るより 能なし野郎
吹けば一番 飛ぶだろう
だけど勝負は 一対一よ
王将だろうと 何だろと
後にゃ引かない 俺のみち
16.終着駅は始発駅
作詞:佐東ひどる・星野哲郎
作曲:中村千里
背なかを合わせて あばよと言えば
おまえの震えが 伝わるぜ
死ぬほど惚れて 死ぬほど泣いた
涙は頬を ぬらしても
終着駅は 始発駅
ふたりのしあわせ 祈っているよ
ふり向かないで 行ってくれ
ひとつの愛は 終ったけれど
明日がおまえを 待っている
終着駅は 始発駅
函館止まりの 連絡船は
青森行きの 船になる
希望を捨てるな 生きてるかぎり
どこからだって 出直せる
終着駅は 始発駅
17.与作
作詞:七沢公典
作曲:七沢公典
与作は木をきる
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
こだまは かえるよ
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
女房ははたを織る
トントントン トントントン
気だてのいい嫁だよ
トントントン トントントン
与作 与作 もう日が暮れる
与作 与作 女房が呼んでいる
ホーホー ホーホー
藁ぶき屋根には
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
星くずが 降るよ
ヘイヘイホー ヘイヘイホー
女房は藁を打つ
トントントン トントントン
働きものだよ
トントントン トントントン
与作 与作 もう夜が明ける
与作 与作 お山が呼んでいる
ホーホー ホーホー
18.風雪ながれ旅
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
破れ単衣に 三味線だけば
よされよされと 雪が降る
泣きの十六 短かい指に
息を吹きかけ 越えてきた
アイヤー アイヤー
津軽 八戸 大湊
三味 が折れたら 両手を叩け
バチが無ければ 櫛でひけ
音の出るもの 何でも好きで
かもめ啼く声 ききながら
アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧
鍋のコゲ飯 袂で隠し
抜けてきたのが 親の目を
通い妻だと 笑った女の
髪の匂いも なつかしい
アイヤー アイヤー
留萌 滝川 稚内
19.愛の道
作詞:八代富子・補作詞芳野薫
作曲:原譲二
あなたの肩に 舞い落ちた
冷たい雪は いつとける いつとける
ふり返ることなどできぬと知りながら
今日もゆくゆく 無念坂
けわしき道 されど我が道 愛の道
押させて下さい 車椅子
あなたの頬に 吹きつける
冷たい風は いつやむの いつやむの
許されることならかわってあげたいと
辛さこらえる 乙女坂
けわしき道 されど我が道 愛の道
押させて下さい 車椅子
見上げれば 涙がひとつ またひとつ
明日に希望の 夫婦坂
けわしき道 されど我が道 愛の道
押させて下さい いつまでも
20.炎の男
作詞:原譲二
作曲:原譲二
男の俺が 選んだ道だ
たとえ茨の 道だとて
決して 決して 決して
泣いたりは しないさ
負けてたまるか ぐっと
睨むこの目に 血がたぎる
惚れた女もいたにはいたが
恋におぼれりゃ 遠廻り
何んで 何んで 何んで
今さら愚痴なんか
云わぬつもりが ぐっと
あおる冷や酒 歯にしみる
我慢だ 我慢だ 試練に耐えりゃ
たてた誓いも 夢じゃない
燃えろ 燃えろ 燃えろ
炎の男なら
明日に生きるさ ぐっと
あおぐ夜空に 高笑い
21.漁歌
作詞:山田孝雄
作曲:浜圭介
俺が網を引くのはよ
可愛い女房と子供によ
腹一杯 飯を食わすためなんだよ
坊の岬に桃花咲く頃
今年も鰹が 鰹が来るぞ
はまらんかい きばらんかい
東支那海は 男の海よ
俺が海で死んだらよ
可愛い女房と子供はよ
どうして生きる 嵐にゃ負けるものかよ
夫婦鶯 裏山で鳴く頃
今年も鰹が 鰹が来るぞ
はまらんかい きばらんかい
沖は荒海 男の海よ
はまらんかい きばらんかい
東支那海は 男の海よ
22.夫婦絶唱
作詞:関沢新一
作曲:中村典正
俺がお前に 会った時
ころし文句を 云ったかい
云ったおぼえは ないけれど
聞いたふりして ついて来た
ありがとう ありがとう お前
俺は離さない
今度生まれて きた時も
やはりあなたの そばがいい
もしも会えなきゃ どうしよう
子供みたいな 目ですがる
ありがとう ありがとう お前
俺は離さない
ひとりだったら 細い道
ふたり合わせりゃ 強くなる
いつか咲かそう つらくとも
それが夫婦の 愛の花
ありがとう ありがとう お前
俺は離さない
23.まつり
作詞:なかにし礼
作曲:原譲二
男は祭りをそうさ かついで生きてきた
山の神 海の神 今年も本当にありがとう
白い褌 ひきしめた
裸若衆に雪が舞う
祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り
土の匂いのしみこんだ
伜その手が宝物
男は祭りでそうさ 男をみがくんだ
山の神 海の神 いのちを本当にありがとう
船に五色の旗をたて
海の男が風を切る
祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り
見ろよ真っ赤な陽が昇る
伜一番船をこげ
燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン
俺もどんとまた 生きてやる
これが日本の祭りだよ
24.男の劇場
作詞:星野哲郎
作曲:北原じゅん
正しい者が 勝たいでなるか
それがこの世の 真理じゃないか
忍の一文字に 望みをかけて
じっと出を待つ 来島瀬戸の
渦も知ってる 男のロマン
できないがまん するのががまん
怨みつらみの 百万言は
腹に収めて にっこり笑う
がまん男の がまんの前に
壁は崩れる 氷もとける
自分の身なりに かまっちゃおれぬ
後はたのむぞ 可愛い女房
俺は大将 まっ先かけて
浴びる火の粉に 身はただれても
いかにゃなるまい 勝たねばならぬ
25.箱根のおんな
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
あなたを捨てた 報いでしょうか
男にゃ泣いたと 風便り
白から赤へ 赤から青へ
こころを変える あじさいの
花をみるたび おもいだす
にくい 恋しい 箱根の女よ
届かぬ恋に 苦しむよりは
死んで解きたい 恋縛り
大湧谷の 煙りの中で
愛しさつのり 叫んでみた
俺のこころに いまもなお
住んではなれぬ 箱根の女よ
みどりに晴れた 芦の湖さえも
噂をくれぬ きみのこと
尋ねる今日も 湯本に暮れて
滝音ばかり 塔の沢
ひとり別れの 酒くめば
つらい 逢いたい 箱根の女よ
26.北の漁場
作詞:新條カオル
作曲:桜田誠一
いのち温めて 酔いながら
酒をまわし飲む
明日の稼ぎを 夢に見て
腹に晒し巻く
海の男にゃヨ 凍る波しぶき
北の漁場はヨ 男の仕事場サ
沖は魔物だ 吠えながら
牙をむいてくる
風にさらした 右腕の
傷は守り札
海の男にゃヨ 雪が巻いて飛ぶ
北の漁場はヨ 男の遊び場サ
銭のおもさを 数えても
帰るあてはない
二百浬を ぎりぎりに
網をかけてゆく
海の男にゃヨ 怒 が華になる
北の漁場はヨ 男の死に場所サ
27.川
作詞:野村耕三
作曲:池山錠
川の流れと人の世は
澱みもあれば渓流もある
義理の重きを忘れたら
立つ瀬なくして沈むだ…黙って
おとこは川になる
風にこぼれた花びらを
浮かべて川に情がある
生きる辛さに耐えながら
人は優しさ恋しがる…忍んで
おとこは川になる
過去とうらみは流れても
流しちゃならぬ恩がある
他人の情けをかりながら
明日へ漕ぎだす舟もある…揺られて
おとこは川になる
28.息子
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
出てゆくおまえの その背に
遠い昔の 俺を見た
旅がしたけりゃ 行くがいい
すり傷 切り傷 胸の傷
いっぱいつけて 大きくなれや
男になって 戻って来いや
惚れたらとことん やり通す
それが生きると いうもんだ
夢はおまえの 青春さ
石でも球でも 木でもいい
命の通よう 仕事をしろよ
何もせずに わがまま言うな
くじけたときには ふるさとの
海を思って がんばれよ
風に向かえば 波が立つ
横波縦波 地獄波
乗りこえながら つかんでおくれ
おまえの明日は おれたちの希望
29.年輪
作詞:関根縋一・石本美由起
作曲:原譲二
雪の重さを はねのけながら
背のびしたかろ枝も葉も
山に若葉の春がくりゃ
よくぞ耐えたと笑う風
苦労 年輪 樹は育つ
みどり絶やさぬお山の掟
守りつづけて子や孫に
強く伸びろと親ごころ
枝を切る木に血が通う
苦労 年輪 樹は育つ
いつか世に出て大黒柱
夢のようだか夢じゃない
願い重ねた歳月に
熱い想いが生きている
苦労 年輪 樹は育つ
30.あじさい情話
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
心変わりは 憎くても
逢えばおまえが 離せまい
俺の負けだよ 戻っておくれ
明日に咲こうと ささやきかける
花はあじさい おとこの泪
夢で抱きしめ 名を呼べば
枕つめたい ひとり寝の
夜半の箱根の 湖畔を走る
雨の糸さえ みれんを束ね
窓にあじさい おんなの泪
花で日暮れた 湯の街の
朝は愁いの 始発駅
泣いて手をふる あの女よりも
逢えず別れる 男の胸の
辛らさ伝えよ あじさいの花
31.北島三郎山
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
流れる雲の 移り気よりも
動かぬ山の 雪化粧
ガンコ印の 野良着をまとい
生きる師匠(おやじ)の横顔に
おれは男の山をみた
おれもなりたい 山をみた
けわしい山に 登ってみたい
自分の道を 極めたい
それは男の 見果てぬ夢か
山に登れば その山の
山の向こうに 待っている
山の深さを 知るばかり
目先のことに うろちょろするな
昨日と同じ 今日はない
それが師匠(おやじ)の 口癖だった
たった一度の 人生を
花にするのも がまんなら
山にするのも またがまん
32.北の大地
作詞:星野哲郎
作曲:船村徹
はるかなる 北の空
木霊も叫ぶ エゾ松林
母の大地に根を下ろし
雪を吸い みぞれを背負い
この人生を アア… ハ…噛みしめる
鈴蘭よ ハマナスよ
出逢いの時を 信じて耐えた
愛がそのまゝ 花となる
その姿 その凛々しさが
縛られた春の アア…ハ… 扉を開ける
ギラギラと 燃えながら
夕陽はうたう 大地の歌を
汗と涙を 分けあった
幾歳の 希望の道に
おまえとおれの アア…ハ… 星が降る
33.おやじの背中
作詞:中谷純平
作曲:原譲二
親の意見と 冷や酒は
飲んだあとから きくものさ
「なあ息子よ 男ってやつは 男ってやつはなぁ…」
あとの言葉を のみ込んだまま
酒とつぶやく おやじの背中
夫婦 絆は 綱引きさ
少し弱めで うまくゆく
「なあ息子よ 女ってやつは 女ってやつはなぁ…」
苦労背負わせた おふくろさんに
慕い通わす おやじの背中
夢があるから 生きられる
いのちあるから 耐えられる
「なあ息子よ 人生ってやつは 人生ってやつはなぁ…」
忍の一字は 裏から表
がまん磨いた おやじの背中
34.男一代
作詞:原譲二
作曲:原譲二
神が俺らに 与えてくれた
命と言う名の 預りものを
護り通して 生き抜くからには
人に優しく 情けにあつく
男一代 燃えてやる
苦労かけるが 許して欲しい
今更どうなる 後へは引けぬ
進むばかりが 道ではないが
山より高く 海より深く
男一代 燃えてやる
時世時節(ときよじせつ)が 変わりはしても
誠の一文字 こころに抱いて
決めた道なら 迷いはしない
胸にきざんで 腹におさめて
男一代 燃えてやる
35.竹
作詞:野村耕三
作曲:原譲二
雪の降る日も 雨の日も
竹は節目で 伸びてゆく
人もまた 己れが道の一里塚
確かめながら 行けばいい
そこに出逢いも 彩りも
ああ…粛々と 行けばいい
月の世界に 憧れて
竹に託した 夢もある
人はみな 見果てぬ夢の夢灯り
しっかと抱いて 生きりゃいい
熱い想いを 温もりを
ああ…粛々 と行けばいい
花の咲くのは ただ一度
竹は寿命(いのち)が 尽きるとき
人もまた 上辺の花を飾るより
誠実(まこと)の花を 持てばいい
こころ豊かに しなやかに
ああ…粛々 と行けばいい
36.根っこ
作詞:鈴木紀代
作曲:原譲二
咲いた花だけ 人は観て
きれいな花だと もてはやす
花には枝あり 幹がある
目にこそ届かぬ その下に
忘れちゃならない 根っこの力
蔭で支えて 土ん中
上へ上へと 背のびすりゃ
嵐で根こそぎ 倒される
前、横、後ろに 気を配り
足げにされても 踏まれても
愚痴さえ言わずに 根っこは耐える
陽の目一生 見なくても
裸さらして 生きる木は
雷さんにも どやされる
涙は裂けても こぼさない
我慢を肥料に 今日もまた
生命を枯らさぬ 根っこがあるさ
明日にでっかい 花となる
37.十和田湖
作詞:北川文化
作曲:原譲二
やけ山の 夕やけよ
逢いに来たんだ 峰越えて
夢のようには いかない それが人生と
空が無言で 教えてくれる
ああ 十和田湖 さざ波よ
雪が降る 八甲田
馬の親子が 丘をゆく
道はひとつさ だれでも それが人生と
空に向って 男のさけび
ああ 十和田湖 さざ波よ
流れ星 追いかけて
峠をいくつ 越えたやら
明日を信じた 魂 それが人生さ
空は無限だ どこまでひとつ
ああ 十和田湖 さざ波よ
38.のぼり坂
作詞:北川文化
作曲:原譲二
いつかおふくろ 言っていた
笑う門には 福が来る
人には寄り添い 馬には乗ってみよ
あっても苦労 なくても苦労
そんなもんだよ 人生は
いくつになっても なっても のぼり坂
今もどこかで 呼んでいる
声が聞こえる 日暮れ橋
世渡り下手だと 叱られながら
くじける心 一度や二度は
それも我慢の 人生さ
いくつになっても なっても のぼり坂
なにがいいのか 悪いのか
迷う世間の うらおもて
こんな男と 情けのおまえ
夢でもいいさ 夢みて生きる
ふたりあわせの 人生は
いくつになっても なっても のぼり坂
39.橋
作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二
この世には 眼には見えない橋がある
親子を繋ぐ 橋がある
這えば立て 立てば歩めと
大事に育て…
親から旅立つ 日が来ても
一生忘れぬ 橋がある
世間には 縁という字で結ばれて
夫婦で築く 橋がある
倖せの 春はいつでも
足踏みだけど…
ふたりでいたわり 庇いあい
死ぬまで寄り添う 橋がある
男には 夢を拳で握りしめ
ひとりで渡る 橋がある
向かい風 今日も行く手を
邪魔するけれど…
勇気・誠実(まごころ) この汗で
明日へ架けたい 橋がある
40.人生道
作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二
気高き山に 父を見て
やさしき海に 母を知る
人の世に 挫折いて
傷つく時は…
故郷の 空仰ぎ
夢 遥かなる 人生を行く
寄り添い生きる 妻がいて
笑顔が嬉し 子宝よ
喜びも 悲しみも
分けあう身なら…
扶けあい 支えあい
夢 ひと筋の 道程を行く
我が師と仰ぐ 人ありて
情がかよう 友がいる
人の縁 人の恩
魂に刻み…
大志 忘れずに
夢 限りなき 明日を行く
41.父親(おやじ)
作詞:遠藤実
作曲:遠藤実
おやじと云う山 でっかい山だ
恩の山々 子は越えられぬ
吹雪の港で 握手した
ぶ厚い手の平 苦労の証
元気でやれよと あの目に涙
おやじ おやじ…
優しさ ありがとう
おやじの郵便 消印見ては
遠い故里 浮かべていたよ
あしたが見えなく なったなら
夢でも燃やせと あばれた文字を
読んだらいつでも 力が湧いた
おやじ おやじ…
勇気を ありがとう
おやじがおふくろ 愛したように
俺を惚れさす 女と添えた
十から転がる それよりも
一からあせらず 登って行けと
さとしたあの声 いまでも残る
おやじ おやじ…
根性 ありがとう
42.北の男船
作詞:大屋詩起
作曲:原譲二
疾風(かぜ)に煽(あお)られ みぞれが吹雪(ゆき)に
海もどうやら 時化模様
怒濤(なみ)の頭突きを 度胸で捌き
勇む船足 千島の沖へ
男勝負の
ア ドッコイ やん衆船さ
生きて行くには ここしかないと
意地をぶちこむ 北漁場
可愛い娘と 女房の写真
守札(まもり)代わりに 晒に巻いて
網に追い込む
ア ドッコイ やん衆船さ
錆びたデッキに ぶつかるしぶき
漁師冥利(みょうり)の 波の華
風にはめたく 五色の旗が
夕陽背負って 湖路に映える
大漁土産の
ア ドッコイ やん衆船さ
43.恩返し
作詞:数丘夕彦
作曲:原譲二
苦労という名の 種まかなけりゃ
芽も出ぬ花も 咲きはせぬ
辛抱我慢の いばら道
ここで逃げだしゃ 負けになる
俺はおやじの 心を継いで
継いで男の恩返し
あんたのいちずな 夢の手伝い
させてと ついて 来たお前
明るい笑顔に 励まされ
やせた背中に 詫びている
夢は必ず 咲かせてみせる
それがお前に恩返し
怒鳴られ叱られ 今俺がある
あの手のぬくもり なつかしい
この道選んで 悔いはない
一生修業さ 人生は
負けてたまるか くじけてなるか
これが男の恩返し
44.峠
作詞:木下龍太郎
作曲:原譲二
ここでいいなら 頂上だけど
先を見上げりゃ まだ中半(なかば)
男なりゃこそ 他人(ひと)より重い
夢を背負って 登りたい
峠と言う名の 一生を
命綱より 離せぬものは
惚れたお前の 心杖
こんな男の 明日に賭けて
共に歩いて 呉れるのか
峠と言う名の 一生を
花と散るとき 男は見たい
生きた証の 足跡を
一歩一歩を 大地に刻み
天を目指して 登りたい
峠と言う名の 一生を
45.還暦
作詞:木津夢人
作曲:木津夢人
若き時代を 今ふりかえり
歩き続けた この道は
山谷ありの いばら道
お前と供に 分ちあい
生きて節目の
あぁ人生 今ここに還暦を
歳の流れも 浮世の義理も
波間に消えて 浮きしずむ
真心結ぶ きずな糸
この先供に 夫婦道
我慢しんぼう
あぁ人生 今ここに還暦を
両手(ふたつ)重ねて 我慢の坂を
いくどとまった こともある
人生苦労 まだなかば
再び供に たしかめて
いくえちぎりの
あぁ人生 今ここに還暦を
46.標(しるべ)
作詞:鈴木紀代
作曲:原譲二
損か得かを はかるより 嘘か真で
動きたい 自分自身に 嗤われる
生き方だけは したくない 男らしく
俺らしく
いいか悪いか 言う前に 好きか嫌いで
決めている 自分自身が ためされる
みんな承知さ 剣が峰 男らしく 俺らしく
失くしたくない 夢ならば 涙こらえて
まわり道 自分自身で 嗅ぎ分けた
そんな標に 生かされて 男らしく
俺らしく
47.俺らしく
作詞:麻こよみ
作曲:原譲二
世間の風の 冷たさに
悔し泣きした 夜もある
それでも夢を あきらめず
がむしゃらに ひたむきに 生きてきた
誓う男の 心意気
俺はやっぱり 俺らしく
ごめんといつも 言えなくて
苦労おまえに かけたまま
不器用者と わかっていても
強がって 意地張って 生きてきた
惚れた女は 一人だけ
俺を支えた おまえだけ
心は熱く これからも
失くしたくない 決めている
嵐の道で あろうとも
真っ直ぐに ひとすじに 生きて行く
今度生まれて 来る時も
俺はやっぱり 俺らしく
48.波瀾万丈
作詞:倉内康平
作曲:原譲二
人に無情の なげき節
背中あわせの 裏表
歩き続けた 人生を
これでいいかと ふりかえり
波瀾万丈 ああ 振りだしで
誰もひとつの 道がある
続くこの坂 はてしなく
苦労くの字に こえて行く
影に女房の 涙あり
波瀾万丈 ああ 二人連れ
花の命が 終わるとき
人は散っても 名を残す
今日がどんなに 辛くても
生きる望みを 明日にかけ
波瀾万丈 ああ 夢暦
49.比叡の風
作詞:いではく
作曲:遠藤実
荒行千日 比叡の風を
受けて歩いた 山道万里
暑さ寒さに 雨雪越えて
無我の心に 咲く花を
あゝ
不滅の法灯(あかり)が いま照らす
満ちるも欠けるも 見る人次第
月の姿も 心を映す
人の世なれば 悩みや欲も
あって不思議は ないけれど
あゝ
せめても願うは 慈悲ごころ
国の宝は 人づくりだと
伝え広めた 聖(ひじり)のおしえ
照らす一隅(いちぐう) 衆生(しゅじょう)のために
捧げ尽くさん この命
あゝ
比叡の風に 誓う朝
50.夫婦一生
作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二
初めて出逢って 結ばれて
気がつきゃ苦労の 九十九(つづら)坂
時には妻に 時には母に
おまえいりゃこそ 今日がある
夫婦(ふうふ)一生
よろしく頼むよ これからも
着たきり雀の あの頃は
裏町こぼれ灯(び) 夢見酒
明日(あした)が見えぬ 暮らしの中で
陰でささえて くれた奴
夫婦一生
こころで言うのさ ありがとう
この次この世に 生まれても
やっぱりおまえが 恋女房
しんどい時は いたわりあって
俺が今度は 尽くすから
夫婦一生
ふたりは道づれ どこまでも
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