1.氷の世界
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
窓の外ではリンゴ売り 声をからしてリンゴ売り
きっと誰かがふざけてリンゴ売りのまねをしているだけなんだろう
僕のTVは寒さで画期的な色になり
とても醜いあの娘をグッと魅力的な娘にしてすぐ消えた
今年の寒さは記録的なもの こごえてしまうよ
毎日 吹雪 吹雪 氷の世界
誰か指切りしようよ 僕と指切りしようよ
軽い嘘でもいいから今日は一日はりつめた気持でいたい
小指が僕にからんで動きがとれなくなれば
みんな笑ってくれるし 僕もそんなに悪い気はしないはずだよ
流れてゆくのは時間だけなのか 涙だけなのか
毎日 吹雪 吹雪 氷の世界
人を傷つけたいな 誰か傷つけたいな
だけどできない理由はやっぱりただ自分が恐いだけなんだな
そのやさしさを秘かに胸にいだいてる人は
いつかノーベル賞でももらうつもりでガンバッてるんじゃないのか
ふるえているのは寒さのせいだろ 恐いんじゃないネ
毎日 吹雪 吹雪 氷の世界
2.心もよう
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
さみしさのつれづれに
手紙をしたためています あなたに
黒いインクがきれいでしょう
青いびんせんが悲しいでしょう?!
あなたの笑い顔を不思議なことに
今日は覚えていました
19才になったお祝いに
作った歌も忘れたのに
さみしさだけを手紙につめて
ふるさとにすむあなたに送る
あなたにとって見飽きた文字が
季節の中で埋もれてしまう
遠くで暮らす事が
二人に良くないのはわかっていました
くもりガラスの外は雨
私の気持ちは書けません
さみしさだけを手紙につめて
ふるさとにすむあなたに送る
あなたにとって見飽きた文字が
季節の中で埋もれてしまう
あざやか色の春はかげろう
まぶしい夏の光は強く
秋風の後 雪が追いかけ
季節はめぐり あなたを変える
3.闇夜の国から
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
闇夜の国から二人で舟を出すんだ
海図も磁石もコンパスもない旅へと
(舟はどこへゆく)
うしろで舵をとるお前は あくびの顔で
夜の深さと夜明けの近さを
知らせる
歌おうよ 声合わせ
舟こぐ音にも合わせて
闇夜の国から二人
二人で舟を出してゆく
舟出の理由を確かめ合うこともなく
未来と将来の区別もつかないまま
言葉の軽さを
二人で笑い続けて
俺の腕枕お前は眠れそうかい
流れ星 願いごと
消えないうちに早く
闇夜の国から二人
二人で舟を出してゆく
ララララララ…
波まかせ 風まかせ
星くずの空にゆられ
一人の国から今夜
闇夜の国から二人
二人で舟を出してゆく
4.いつもと違った春
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
答が出ずに生きてる事は
ためいきだけの生活
本音を隠し 建前飾り
笑いは逃げの切札
だから今日も裏道小路
いき着く先は 僕の落ち着く先は
いつものドタン場だろう
女は化粧 きらめく衣装
窓辺にうつる微笑
男は右で 女は左
真中にいた「約束」
君が僕を好きになったら
体をこなにしても 心をすりつぶしても
働くのに
今年の春はいつもの春と
なんだか少し違った
スミレが咲いて ヒバリが飛んで
心はやはり踊った
だけど違う 春の長さが
大人になるにつれて
楽しい時は短くなるのだろうか?
5.夢の中
6.いつのまにか少女は
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
いつのまにか青い空がのぞいてる
思いつめた黒い雲は 逃げてゆく
君はどこで生まれたの育ってきたの
君は静かに 音もたてずに 大人になった
Un un Un un un
白い膚が 光に触れまぶしそう
髪の色は 青い空に浮きたって
燃える夏の太陽は そこまできてる
君は季節が変わるみたいに 大人になった
Un un Un un un
いつのまにか 「愛」を使うことを知り
知らず知らず 「恋」と遊ぶ人になる
だけど春の短さを 誰も知らない
君の笑顔は悲しいくらい 大人になった
Un un Un un un Un un un
7.神無月にかこまれて
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
人恋しと泣けば十三夜
月はおぼろ 淡い色具合
雲は月を隠さぬ様に やさしく流れ
丸い月には流れる雲が
ちぎれた雲がよくにあう
風がさわぐ今や冬隣り
逃げる様に渡り鳥がゆく
列についてゆけない者に また来る春が
あるかどうかは誰もしらない
ただひたすらの風まかせ
神無月に僕はかこまれて
口笛吹く それはこだまする
青い夜の空気の中に 生きてるものは
涙も見せず笑いも忘れ
息をひそめて冬を待つ
8.夕立
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
夕立 そこまで来ている 雷ゴロゴロ ピカピカ
情容赦ないみたいだ
誰もが一目散へとどこかへ走る
カエルはうれしなきをしてる
洗濯物がぬれるから 女はひきつった顔で
わめきまわる ころびまわる
男はどうした事かと 立ちつくすだけ
空の水が全部落ちてる Wah… 夕立だ
ぬかるみに はまったバスには 乗客ひしめきあってる
抜け出せない 立往生
旅人 荷物をかばって体がぬれる
強い雨がみんなを襲う
計画は全部中止だ 楽しみはみんな忘れろ
嘘じゃないぞ 夕立だぞ
家に居て黙っているんだ 夏が終るまで
君の事もずっとおあずけ
Wah… 夕立だ
Wah… 夕立だ
9.野イチゴ
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
野イチゴゆれた
緑の風に
つんでみようか
ながめるだけにしようか
あの娘は町へ
お嫁に行った
便りもとだえ
里へ帰る事もない
野イチゴゆれてた
緑の風に包まれながら
赤い実をゆらしてた
日暮れの空は
いつもと同じ
変わらぬものが
いとしく思えてくる
夕焼け空が
広がる前に
家路に着こう
カラのカゴを抱きしめ
野イチゴゆれてた
冷たい夜風に吹かれながら
小さくふるえていた
10.傘がない
作詞:井上陽水
作曲:井上陽水
都会では自殺する若者が増えている
今朝来た新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の雨 傘がない
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ
つめたい雨が今日は心に浸みる
君の事以外は考えられなくなる
それはいい事だろう?
テレビでは我が国の将来の問題を
誰かが深刻な顔をしてしゃべってる
だけども問題は今日の雨 傘がない
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ 雨にぬれ
つめたい雨が僕の目の中に降る
君の事以外は何も見えなくなる
それはいい事だろう?
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の家に行かなくちゃ 雨の中を
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
雨にぬれて行かなくちゃ 傘がない
|