1.空と君のあいだに
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
君が涙のときには 僕はポプラの枝になる
孤独な人につけこむようなことは言えなくて
君を泣かせたあいつの正体を僕は知ってた
ひきとめた僕を君は振りはらった遠い夜
ここにいるよ 愛はまだ
ここにいるよ いつまでも
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
君の心がわかる、とたやすく誓える男に
なぜ女はついてゆくのだろう そして泣くのだろう
君がすさんだ瞳で強がるのがとても痛い
憎むことでいつまでもあいつに縛られないで
ここにいるよ 愛はまだ
ここにいるよ うつむかないで
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
2.悪女
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
マリコの部屋へ 電話をかけて
男と遊んでる芝居 続けてきたけれど
あのこもわりと 忙しいようで
そうそうつきあわせてもいられない
土曜でなけりゃ 映画も早い
ホテルのロビーも いつまで居られるわけもない
帰れるあての あなたの部屋も
受話器をはずしたままね 話し中
悪女になるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉がほろり
こぼれてしまう 「行かないで」
悪女になるなら
裸足で夜明けの電車で泣いてから
涙 ぽろぽろ ぽろぽろ
流れて 涸れてから
女のつけぬ コロンを買って
深夜のサ店の鏡で うなじにつけたなら
夜明けを待って 一番電車
凍えて帰れば わざと捨てゼリフ
涙も捨てて 情も捨てて
あなたが早く私に 愛想を尽かすまで
あなたの隠す あの娘のもとへ
あなたを早く 渡してしまうまで
悪女になるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉がほろり
こぼれてしまう 「行かないで」
悪女になるなら
裸足で夜明けの電車で泣いてから
涙 ぽろぽろ ぽろぽろ
流れて 涸れてから
3.あした
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
イヤリングを外して 綺麗じゃなくなっても
まだ私のことを見失ってしまわないでね
フリルのシャツを脱いで やせっぽちになっても
まだ私のことを見失ってしまわないでね
カーラジオが嵐を告げている
2人は黙りこんでいる
形のないものに 誰が
愛なんて つけたのだろう 教えてよ
※もしも明日 私たちが何もかも失くして
ただの心しか持たないやせた猫になっても
もしも明日 あなたのため何の得もなくても
言えるならその時 愛を聞かせて※
抱きしめれば2人は なお遠くなるみたい
許し合えば2人は なおわからなくなるみたいだ
ガラスならあなたの手の中で壊れたい
ナイフならあなたを傷つけながら折れてしまいたい
何もかも愛を追い越してく
どしゃ降りの一車線の人生
凍えながら2人共が
2人分傷ついている 教えてよ
(※くり返し)
何もかも愛を追い越してく
どしゃ降りの一車線の人生
凍えながら2人共が
2人分傷ついている 教えてよ
(※くり返し)
4.最後の女神
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
いちばん最後に見た夢だけを
人は覚えているのだろう
幼い日に見た夢を 思い出してみないか
あぁ あれは壊れたオモチャ
いつもいつも好きだったのに
僕には直せなかった
夢の中で今も泣いている
言葉にならない SOSの波
受けとめてくれる人がいるだろうか
あぁ あれは最後の女神
まぎれもなく君を待っている
あぁ たとえ最後のロケットが
君を残し 地球を捨てても
まだ見ぬ陸を信じて
何故に鳥は海をゆけるの
約束を載せた紙は風の中
受けとめてくれる人がいるだろうか
あぁ あれは最後の女神
天使たちが歌いやめても
あぁ あれは最後の女神
まぎれもなく君を待ってる
心は変わる 誰もが変わる
変わりゆけ 変わりゆけ もっと好きになれ
いちばん最後に見た夢だけを
人は覚えているだろう
幼い日に見た夢を 思い出してみない…
あぁ あれは最後の女神
天使たちが歌いやめても
あぁ あれは最後の女神
天使たちが歌いやめても
あぁ あれは最後の女神
天使たちが歌いやめても
5.浅い眠り
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
忘れないと誓ったあの日の夏は遠く
寄せて返す波にもあの日の風はいない
ああ二人で点したあの部屋のキャンドルは
光あふれる時代の中で
どこへはかなく消えていったのか
恋しさを聞かせてよ
惜しみなく聞かせてよ
他人じゃないなら なおさら なおさら
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
風の中にふるえて瞬(またた)く星のように
あやまちかもしれないと哀しく迷っていた
ああ二人気づかない 失ってみるまでは
誰が一番ほしい人なのか
何が一番つらいことなのか
恋しさはこわれもの
せつなさはこわれもの
他人じゃないなら なおさら なおさら
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
6.ルージュ
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
口をきくのが うまくなりました
どんな酔いしれた人にでも
口をきくのが うまくなりました
ルージュひくたびにわかります
あの人追いかけて この町へ着いた頃は
まだルージュはただひとつ うす桜
あの人追いかけてくり返す人違い
いつか泣き慣れて
口をきくのがうまくなりました
ルージュひくたびにわかります
つくり笑いがうまくなりました
心慣じめない人にでも
つくり笑いがうまくなりました
ルージュひくたびにわかります
※生まれた時から渡り鳥も渡る気で
つばさをつくろう事も知るまいに
気がつきゃ鏡も 忘れかけた うす桜
おかしな色と笑う※
つくり笑いが うまくなりました
ルージュひくたびにわかります
(※くり返し)
つくり笑いが うまくなりました
ルージュひくたびにわかります
7.誕生
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
ひとりでも私は生きられるけど
でもだれかとならば人生ははるかに違う
強気で強気で生きてる人ほど
些細な寂しさでつまずくものよ
呼んでも呼んでもとどかぬ恋でも
むなしい恋なんて ある筈がないと言ってよ
待っても待っても戻らぬ恋でも
無駄な月日なんてないと言ってよ
めぐり来る季節をかぞえながら
めぐり逢う命をかぞえながら
畏れながら憎みながら いつか愛を知ってゆく
泣きながら生まれる子供のように
もいちど生きるため泣いて来たのね
Remember 生まれた時だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して最初に聞いた Welcome
Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること
ふりかえるひまもなく時は流れて
帰りたい場所がまたひとつずつ消えてゆく
すがりたいだれかを失うたびに
だれかを守りたい私になるの
わかれゆく季節をかぞえながら
わかれゆく命をかぞえながら
祈りながら嘆きながら とうに愛を知っている
忘れない言葉はだれでもひとつ
たとえサヨナラでも愛してる意味
Remember 生まれた時だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して最初に聞いた Welcome
Remember けれどもしも思い出せないなら
私いつでもあなたに言う
生まれてくれて Welcome
Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること
8.時代
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
今はこんなに悲しくて 涙もかれ果てて
もう二度と笑顔には なれそうもないけど
そんな時代もあったねと いつか話せる日がくるわ
あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ
だから 今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう
まわるまわるよ 時代はまわる
喜び悲しみくり返し 今日は別れた恋人たちも
生まれ変わって めぐりあうよ
旅を続ける人々は いつか故郷に出会う日を
たとえ今夜は倒れても きっと信じてドアを出る
たとえ今日は果てしもなく
冷たい雨が降っていても
めぐるめぐるよ 時代はめぐる
別れと出会いをくり返し
今日は倒れた旅人たちも 生まれ変って歩きだすよ
まわるまわるよ 時代はまわる
別れと出逢いをくり返し
今日は倒れた旅人たちも 生まれ変って歩きだすよ
まわるまわるよ 時代はまわる
別れと出逢いをくり返し
今日は倒れた旅人たちも 生まれ変って歩きだすよ
今日は倒れた旅人たちも 生まれ変って 歩きだすよ
9.わかれうた
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
途に倒れて だれかの名を
呼び続けたことが ありますか
人ごとに言うほど たそがれは
優しい人好しじゃありません
別れの気分に 味を占めて
あなたは 私の戸を叩いた
私は別れを 忘れたくて
あなたの眼を見ずに 戸を開けた
別れはいつもついて来る 幸せの後ろをついて来る
それが私のクセなのか いつも目覚めれば独り
あなたは愁いを身につけて
うかれ街あたりで 名をあげる
眠れない私は つれづれに
わかれうた 今夜も 口ずさむ
だれが名付けたか 私には
別れうた唄いの 影がある
好きで別れ唄う 筈もない
他に知らないから 口ずさむ
恋の終わりは いつもいつも
立ち去る者だけが 美しい
残されて 戸惑う者たちは
追いかけて 焦がれて 泣き狂う
別れはいつもついて来る 幸せの後ろをついて来る
それが私のクセなのか いつも目覚めれば独り
あなたは愁いを身につけて
うかれ街あたりで 名をあげる
眠れない私は つれづれに
わかれうた 今夜も 口ずさむ
10.ひとり上手
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
私の帰る家は
あなたの声のする街角
冬の雨に打たれて
あなたの足音をさがすのよ
あなたの帰る家は
私を忘れたい街角
肩を抱いているのは
私と似ていない長い髪
心が街角で泣いている
ひとりはキライだとすねる
ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとり好きなわけじゃないのよ
雨のようにすなおに
あの人と私は流れて
雨のように愛して
サヨナラの海へ流れついた
手紙なんてよしてねな
んどもくり返し泣くから
電話だけで捨ててね
僕もひとりだよとだましてね
心が街角で泣いている
ひとりはキライだとすねる
ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ
ひとり上手と呼ばないで
心だけ連れてゆかないで
私を置いてゆかないで
ひとりが好きなわけじゃないのよ
11.慟哭
それとなく それとなく感じてた
愛されてるかもしれない期待
かろうじて かろうじてつないだ
話がある と
照れたように言いかけたあなた
逃げる私
聞けよ イヤよ 聞けよ 知ってるわ
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
気がついたの
ともだちなんかじゃないという想い
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
わかったのに
おまえも早くだれかをさがせよと
からかわないで エラそうに
あやしまれるほど耳もと近く
ひそやかに あなたからたずねた
どう思う? なんて視線の先
愛されびとが たたずんでた
そうね二人とても似合うわ
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
気がついたの
ともだちなんかじゃないという想い
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
わかったのに
いちばん先に知らせた ともだちが
私だなんて 皮肉だね
でも 笑ってるわ
でも ちゃかしてるわ
こんなひと どこに隠してたの
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
気がついたの
ともだちなんかじゃないという想い
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
わかったのに
おまえも早くだれかをさがせよと
からかわないで エラそうに
12.狼になりたい
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
夜明け間際の吉野屋では
化粧のはげかけたシティ・ガールと
ベィビィ・フェイスの狼たち 肘をついて眠る
なんとかしようと思ってたのに
こんな日に限って朝が早い
兄ィ、俺の分はやく作れよ
そいつよりこっちのが先だぜ
買ったばかりのアロハは どしゃ降り雨で よれよれ
まぁ いいさ この女の化粧も同じようなもんだ
狼になりたい 狼になりたい ただ一度
向かいの席のおやじ見苦しいね
ひとりぼっちで見苦しいね
ビールをくださいビールをください 胸がやける
あんたも朝から忙しいんだろ がんばって稼ぎなよ
昼間・俺たち会ったら
お互いに「いらっしゃいませ」なんてな
人形みたいでもいいよな 笑えるやつはいいよな
みんな、いいことしてやがんのにな
いいことしてやがんのにな
ビールはまだか
狼になりたい 狼になりたい ただ一度
俺のナナハンで行けるのは 町でも海でもどこでも
ねぇ あんた 乗せてやろうか
どこまでもどこまでもどこまでもどこまでも
狼になりたい 狼になりたい ただ一度
狼になりたい 狼になりたい ただ一度
13.旅人のうた
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
男には男のふるさとがあるという
女には女のふるさとがあるという
なにも持たないのは さすらう者ばかり
どこへ帰るのかもわからない者ばかり
愛よ伝われ ひとりさすらう旅人にも
愛よ伝われ ここへ帰れと
あの日々は消えてもまだ夢は消えない
君よ歌ってくれ 僕に歌ってくれ
忘れない忘れないものも ここにあるよと
あの愛は消えてもまだ夢は消えない
君よ歌ってくれ 僕に歌ってくれ
忘れない忘れないものも ここにあるよと
西には西だけの正しさがあるという
東には東の正しさがあるという
なにも知らないのは さすらう者ばかり
日ごと夜ごと変わる風向きにまどうだけ
風に追われて消えかける歌を僕は聞く
風をくぐって僕は応える
あの日々は消えてもまだ夢は消えない
君よ歌ってくれ 僕に歌ってくれ
忘れない忘れないものも ここにあるよと
あの愛は消えてもまだ夢は消えない
君よ歌ってくれ 僕に歌ってくれ
忘れない忘れないものも ここにあるよと
14.ファイト!
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
あたし中卒やからね 仕事をもらわれへんのやと書いた
女の子の手紙の文字は とがりながらふるえている
ガキのくせにと頬を打たれ 少年たちの眼が年をとる
悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる
私、本当は目撃したんです 昨日電車の駅 階段で
ころがり落ちた子供と つきとばした女のうす笑い
私、驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった
ただ恐くて逃げました 私の敵は 私です
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく
光ってるのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば楽なのにね
やせこけて そんなにやせこけて魚たちのぼってゆく
勝つか負けるかそれはわからない それでもとにかく闘いの
出場通知を抱きしめて あいつは海になりました
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
薄情もんが田舎の町に あと足で砂ばかけるって言われてさ
出てくならおまえの身内も住めんようにしちゃるって言われてさ
うっかり燃やしたことにしてやっぱり燃やせんかったこの切符
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
あたし男だったらよかったわ 力ずくで男の思うままに
ならずにすんだかもしれないだけ あたし男に生まれればよかったわ
ああ 小魚たちの群れきらきらと 海の中の国境を越えてゆく
諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
ファイト!
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