ALICE 30 SONGS~member's best selection~

アリス( 谷村新司&堀内孝雄 ) ALICE 30 SONGS~member's best selection~歌詞
1.明日への讃歌

作詞:石坂まさを
作曲:八木架寿人

嘘でもいいの あなたの腕に
いつも抱かれて 眠りたいのよ
あー あなただけお部屋に入れて
素顔をみせたのは
あー うしろ指さされた時も
耐えてゆきます
たとえ明日は 別れる身でも
夢をみさせて それだけでいい

嘘でもいいの 夕げのしたく
似合う娘(こ)だと 云われたいのよ
あー あなたなら泣かされたって
黙ってついていくわ
あー カーテンに
ふたりの影が 揺れる倖せ
やっとつかんだ この恋ひとつ
何もいらない それだけでいい

あー どこまでも
あなたと共に歩いてゆかせてね
あー この私くやしいけれど
愛にまけたの
そうよ女は あなたに賭けて
生きてゆくのよ それだけでいい


2.愛の光

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

陽溜りをいつも避けながら
今日まで歩いてきたの
背中に太陽を受けて
今日まで歩いてきたの
ビルの谷間に風が吹きぬけて
心の炎は消えてしまったの

だけど今は違う
永遠に消えない光を
私は見つけたの

雨だれの音を聞きながら
今日まで暮らしてきたの
過ぎ去った誇りのなかで
今日まで暮らしてきたの

心のままに生きてきたことが
いけないことだと思ってた

だけど今は違う
永遠に消えない光を
私は見つけたの

それはあなた それはあなた それはあなた

心のままに生きてきたことが
いけないことだと思ってた

だけど今は違う
永遠に消えない光を
私は見つけたの

それはあなた それはあなた それはあなた


3.誰もいない

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

忘れ去られたベンチの上に
真赤な夕陽がのびてくる
黄色く変わったポプラの枝を
ただ秋風がなでてゆく

愛の言葉を交わした人も
うとうと昼寝をしていた人も
誰もいない 誰もいない

忘れ去られたベンチの上に
読み棄てられた新聞紙
ただ何となく読む気もせずに
見上げた空のいわし雲

誰かを待っているようで
流れてゆくのも悲しそう
誰もいない 誰もいない

忘れ去られたベンチの上に
あなたを待っている私
忘れ去られたベンチのように
一人ぼっちは恐いから

早くあなたが来なければ
季節が変わってしまいそう
肩が寒い 肩が寒い
肩が寒い 肩が寒い


4.黒い瞳の少女

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

かぎりある青春の
かわりない道ばたに
咲いている花に気付いた時
流れ行く青春のかえらない全ての
はげしい季節をかけて燃え尽きたい

ああ黒い瞳の少女よ
お前のやさしさのひとかけらでも
この手につかめるものならば

ああ黒い瞳の少女よ
お前のやさしさのひとかけらでも
この手につかめるものならば

かぎりある青春の
かわりない道ばたに
咲いている花に
気付いた時
人はみな本当の優しさと
愛する事のつらさを
はじめて知らされる
ルル……
ルル……


5.今はもうだれも

作詞:佐竹俊郎
作曲:佐竹俊郎

今はもうだれも 愛したくないの
何もかもなくした 今の僕にできること
さびしさだけが じっとしてる
とめど流るる涙に ひとつひとつの
思い出だけが
今はもうだれも 愛したくないの

今はもうだれも 愛したくないの
何もかもなくした そんな僕にできること
愛されたくて みんな君に
僕の中に悲しみだけが たったひとつの
残りものなの
今はもうだれも 愛したくないの

愛されたくて みんな君に
僕の中に悲しみだけが たったひとつの
残りものなの
今はもうだれも 愛したくないの
愛したくないの


6.遠くで汽笛を聞きながら

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

悩みつづけた日々が
まるで嘘のように
忘れられる時が
来るまで心を閉じたまま
暮らしてゆこう
遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことがなかったこの街で

俺を見捨てた女を
恨んで生きるより
幼い心に秘めた
むなしい涙の捨て場所を
さがしてみたい
遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことがなかったこの街で

せめて一夜の夢と
泣いて泣き明かして
自分の言葉に嘘は
つくまい人を裏切るまい
生きてゆきたい
遠くで汽笛を聞きながら
何もいいことがなかったこの街で


7.雪の音

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

胸いたみ眠られず
ふるさとは遥か遠く
乱れて落ちる春の雪さえ
心にうれしく静かに目を閉じる

雪の音 聞く夜更け
そらぞらしい 街あかり
道ゆく人の話声だけ
かすかに ひびいて
聞こえる 一人枕

古い手帳の君の名前も
今では静かに見れる夜

ひとしきりため息を
手にとりし古本の
破れ表紙に黒インクで
綴るは意味さえわからない言葉

いたむ胸 押えつつ
寝返りを打ってみる
時計の音がやけに気になる
最終電車も今しがた
走り去った

古い手帳の君の名前も
今では静かに見れる夜

鳴るはずのない電話
出すあてのない手紙
雪にこの頬うずめるような
激しく燃えるような恋なら
してみたい


8.あの日のままで

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

ほこりまみれの陽に焼けた肌
通いなれた放課後の道
野球帰りの子供達の後から
笑いながら君は駈けてくる
時は過ぎてもあの日のままの
はにかんだような君の笑顔に
思わずうつむいてしまった

言葉をかわしたこともなく
肩を並べて帰ったこともない
そんな君の何気ない仕草を
不思議に僕は覚えてた
時は過ぎても あの日のままの
空の青さと同じくらい
不思議に僕は覚えてた
不思議に僕は覚えてた


9.僕の想うこと

作詞:矢沢透
作曲:矢沢透

いつも思うことだけど僕の声
愛の唄 うたうのにはとても
大役すぎる 唄は心でうたうもの
声など関係ないさと思うけれども
やっぱり気になるよ
考えてもみてよ その時のこと
うたい出したその途端 鳥が舞い落ち
雨が降り出し 君は笑いころげ
僕は鬼のような顔で
これじゃ愛の唄になるはずないよ

あーいっそ君が僕で僕が君ならいいのに
そうすればいいこと君に教えてあげる
それは僕のために唄をうたう君が
いるというだけで駈け出したいくらいに
幸せだということさ

いろいろ考えたけどただ僕は
時に君がさみしさを感じた時
何も出来ずに悩んでいるよりも
唄をうたってあげたいな
みんなのようにうまくはないけれど


10.夏の終りに

作詞:矢沢透
作曲:矢沢透

弱くなった夏の陽が傾く頃
わずかばかりの荷物を手にとって
君が住みたいといつも言ってた
緑の多いこの街に来た
時を共にして想い出をつみ
重ねた日の暮しを君に残して

草の上に寝ころび空を見てると
この出来事がとても小さく見える
こんなにも深い悲しみでさえ
やがては時の中、沈み流れる
どれほどに深い悲しみがあれば
時は流れを止めるというのだろう

真新らしいペンキの匂いがしてる
荷物のほかは何もないこの部屋で
君といた頃と同じように
あわただしい日々が始まるのでしょう
黄昏が広がり涼しく風が吹き
ぬける秋の吐息はもうすぐそこまで


11.帰らざる日々

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

最後の電話を握りしめて
何も話せずただじっと
貴方の声を聞けば何もいらない
いのちを飲みほして目を閉じる

Bye,Bye,Bye 私の貴方
Bye,Bye,Bye 私の心
Bye,Bye,Bye 私の命
Bye,Bye,Bye,Bye my love

何か話さなきゃいけないわ
わかっているけれど
目の前を楽しい日々が
ぐるぐるまわるだけ

Bye,Bye,Bye 私の貴方
Bye,Bye,Bye 私の心
Bye,Bye,Bye 私の命
Bye,Bye,Bye,Bye my love

酒びたりの日も今日限り
私は一人で死んでゆく
この手の中の夢だけを
じっと握りしめて

Bye,Bye,Bye 私の貴方
Bye,Bye,Bye 私の心
Bye,Bye,Bye 私の命
Bye,Bye,Bye,Bye my love

貴方の声が遠ざかる
こんなに安らかに
夕暮れが近づいてくる
私の人生の

Bye,Bye,Bye 私の貴方
Bye,Bye,Bye 私の心
Bye,Bye,Bye 私の命
Bye,Bye,Bye,Bye my love


12.さらば青春の時

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

振り向かないで 歩いてゆける
そんな力を与えて欲しい

やすらぎの時が 青春ならば
今こそ笑って 別れを言おう

遥るかな夢を捨てきれないままに
熱い血潮は逆まく胸に

振り向かないで 歩いてゆける
そんな力を与えて欲しい

この世に生れた 唯それだけに
甘えて暮らして 生きてはゆけない

遥るかな夢を捨てきれないままに
熱い血潮は胸を焦がして

振り向かないで 歩いてゆける
そんな力を与えて欲しい

遥るかな夢を捨てきれないままに
熱い血潮は胸を焦がして

振り向かないで 歩いてゆける
そんな力を与えて欲しい


13.冬の稲妻

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

あなたは 稲妻のように
私の心を 引き裂いた
蒼ざめた心 ふるわせて
立ちつくすひとり 立ちつくす
You're rollin thunder 突然すぎた
You're rollin thunder 別れの言葉
忘れない あなたが残していった
傷跡だけは…

あなたは 稲妻のように
私の体を 突き抜けた
燃え尽きた体 抱きしめて
駆け抜ける一人 雨の中
You're rollin thunder 突然すぎた
You're rollin thunder 別れの言葉
忘れない あなたが残していった
傷跡だけは…
忘れない あなたが残していった
傷跡だけは…
あなたは 稲妻のように
私の心を 引き裂いた
蒼ざめた心 ふるわせて
立ちつくすひとり 立ちつくす


14.何処へ

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

風よなぐれこのほほを
流した涙と同じ数
友よさらば忘れない
語り明かした夜の数

人は誰でも旅に出て
一人で生きることを知る
あー悲しいけれど今年も一つ
あー悲しいけれど年とってゆく

焼けた砂の道端に
ほこりまみれに咲いている
そんな花の白さにも
小さなほこりと意地がある

人は誰でも生きてきた
時の重さに流されて
あー悲しいけれどさすらえないで
あー悲しいけれど年とってゆく

人は誰でも夢やぶれ
張り裂けそうな心だけ
あーすてきれないで明日もきっと
あーすてきれないで生きてゆくのか


15.街路樹は知っていた

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

人影も見えない駅の
椅子にそっと寝ころんで
煙草を吸ってみた

街の灯がともり始めて
こんな私に問いかける
淋しくはないかと

夢だけは失くしてない
たとえ今日が悲しい日でも

手をつなぎ帰る子供よ
せめて君は忘れるな
その手のぬくもりを………

また一人友を失くした
ほんのささいなことだった
私にしてみれば

居るだけで心やすらぐ
そんな優しい人だった
今にして思えば

しかたないとうつむいて
悲しそうに笑った君は

陽に焼けた大人の顔と
二人あそんだあの頃の
子供の顔してた

通いなれた駅までの道
今日は何故か涙がおちて

街路樹はいつもみていた
こんな私のちっぽけな
喜びと悲しみ


16.五年目の手紙

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

私は今も変らずに
会社勤めの毎日です
服を着がえていそいそと
家路を急ぐ人の群れに
まぎれて一人帰る道すがら
白い封筒を買いました
たいした意味などないけれど

あなたがくれた一枚の
燃えてた頃の手紙だけ
机の隅に入れたまま
今夜はペンをとりました
書き終えた便せんの追伸に
「今でも私は」......と書けなくて
そっと破いて捨てました

真夜中に一人吹く口笛を
叱ってくれる人もなく
五度目の冬が過ぎました


17.涙の誓い

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

Oh I Love You Forever Oh I Love You Forever
汽笛がむなしく 響く
Oh Please これが Oh Please これが
最後の最後の祈り
泣きながら すがりつけば 終わる
そんなキザなやさしい愛じゃなかった
もう二度と消えない手首の傷あと

Oh I Love You Forever Oh I Love You Forever
遠ざかる 思いでのかけら
Oh Please これが Oh Please これが
最後の最後の祈り
Oh I Love You Forever Oh I Love You Forever
あなたの背中に叫ぶ

Oh Please これが Oh Please これが
最後の最後の誓い
残されて一人きりで生きる
明日からは心を閉ざしたままで
もう二度と夢など 追いかけはしない

Oh I Love You Forever Oh I Love You Forever
消えてゆく 思いでのかけら
Oh Please これで Oh Please これで
すべては すべては 終わる


18.ジョニーの子守唄

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

束の間の淋しさをうずめるために
君の歌声を聞いていた
せまいホールの壁にもたれて
君の動きを追いかけていた

飛び散る汗と煙の中に
あの頃の俺がいた
オーオージョニー 君は今
オージョニー どこにいるのか

時間つぶしの店の片隅
ふと聞こえてきた君の唄
コーヒーカップを持つ手がふいに
ふるえ出したのが恥ずかしくて

子供が出来た今でさえ
あの頃は忘れない
オーオージョニー 君だけが
オージョニー 俺の思い出

風の噂で聞いたけど
君はまだ燃えていると
オーオージョニー それだけが
オージョニー ただ嬉しくて


19.夢去りし街角

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

もう泣かないで 悲しまないで
折れるほど抱きしめてみても
もうもどらない あの日あの時
かけがえのない 季節だった

町には家路を急ぐ人が
足早に 目を伏せて 安らぎ求めて

もう行かなくちゃ 辛くなるから
最後の言葉だ ありがとう

愛の喜び 夢に描いて
傷ついて涙も涸れて

気がついた時 笑うことさえ
忘れてた 自分に気づいた

町には夕暮れがしのびおりる
肩よせ歩いても 心は淋しい

もう行かなくちゃ 辛くなるから
最後の言葉だ ありがとう

出会いと別れの中で人は
運命(さだめ)に立向かう勇気をみつける

もう行かなくちゃ 辛くなるから
最後の言葉だ ありがとう
最後の言葉だ ありがとう
最後の言葉だ ありがとう


20.チャンピオン

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

つかみかけた 熱い腕を
振りほどいて 君は出てゆく
わずかに震える 白いガウンに君の
年老いた 悲しみを見た
リングに向かう 長い廊下で
何故だか急に 君は立ち止まり
ふりむきざまに 俺に こぶしを見せて
寂しそうに 笑った

やがてリングと拍手の渦が
一人の男をのみこんで行った
(You're King of Kings)
立ち上がれ もう一度その足で
立ち上がれ 命の炎を燃やせ

君はついに立ち上がった
血に染まった赤いマットに
わずかに聞いた君の両目に光る
涙が 何かを語った

獣のように 挑戦者は
おそいかかる 若い力で
やがて君は 静かに倒れて落ちた
疲れて眠れるように
わずかばかりの意識の中で
君は何を考えたのか
(You're King of Kings)
立たないで もうそれで充分だ
おお神よ 彼を救いたまえ

ロッカールームの ベンチで君は
きれたくちびるで そっとつぶやいた
(You're King of Kings)

帰れるんだ これでただの男に
帰れるんだ これで帰れるんだ

Oh ライ ラ ライ ラ ライ ラ ライ


21.秋止符

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

左ききのあなたの手紙
右手でなぞって真似てみる
いくら書いても埋めつくせない
白紙の行が そこにある

友情なんて呼べるほど
綺麗事で済むような
男と女じゃないことなど
うすうす感じていたけれど

あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうな そんな気がして

夢を両手に都会(まち)に出て
何も掴めず帰るけど
やさしさの扉を開ける鍵は
眠れない夜が そっと教えた

心も体も開きあい
それから始まるものがある
それを愛とは言わないけれど
それを愛とは言えないけれど

あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうな そんな気がして

春の嵐が来る前に
暖かい風が吹く前に

重いコートは脱ぎすてなければ
歩けないような そんな気がして


22.逃亡者

作詞:谷村新司
作曲:矢沢透

車乗り捨て 砂漠横切り
たどり着いたぜ North of border
あと1マイル逃げ切れたなら
オサラバ サラバ ハイウェイ・パトロール

浴びる程の酒を飲み
酒場女とバカ騒ぎ
たまらないぜ とても Oh Lord, please help me!

女はやっぱりメキシコ
酒ならやっぱりテキーラ
聞こえてきそうだ ホラ・ホラ・ホラ シュリト・リンド!

鉛の靴をはいてるみたい
もう歩けない 疲れたぜ

肌を焼くよな 赤い太陽
風は乾いた 地獄のララバイ
近づいてくる 近づいてくる
近づいてくる Hell Angels

腹はへるし 目はかすむ
地球がグルグル回る
逃げ切れない とても Oh Lord, please help me!

女はやっぱりメキシコ
酒ならやっぱりテキーラ
聞こえてきそうだ ホラ・ホラ・ホラ シュリト・リンド!

鉛の靴をはいてるみたい
もう歩けない 疲れたぜ

腹はへるし 目はかすむ
地球がグルグル回る
逃げ切れない とても Oh Lord, please help me!

女はやっぱりメキシコ
酒ならやっぱりテキーラ
聞こえてきそうだ ホラ・ホラ・ホラ シュリト・リンド!


23.緑をかすめて

作詞:矢沢透
作曲:矢沢透

きらめく陽ざしの中で
色も鮮やかに
今張り終えたばかりの
あなたのポスター

こんなにも楽しそうな
顔で写ってる
とてもあなたらしい顔ね
こうして見ると

出会いの頃と今もまるで
変っていない
あの街で あの部屋で
いまでも暮しているのかしら

緑をかすめて頬に
吹きよせる風は
鼻先に過ぎた日々を
立ちのぼらせる

あなたの作る歌は
どこか寂しくて
聞かされる度に いつも
心細くて

それでもあなたがただ一度
私にくれた
歌を口づさめば それだけで
あなたを感じられた

ただ一度 あなたが私に
作ってくれた
あの歌が街を流れてゆく
わたしをとおり過ぎて


24.それぞれの秋

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

陽溜まりの坂道に立ちどまり
通りすぎる学生を見ていた
俺もあの頃はあんなふうに
きらきらと輝いて見えたろう
授業にも出ずに お茶を飲みながら
くだらない夢を話した
突然おこった不精ひげのおまえも
噂では苦労していると

今も忘れられないのはあの時の言葉
幸せになろうなんて思っちゃいけない

愛した女ひとりと 苦労を共に出来たなら
そんなささやかな人生も きっと悪くはない
夢、散りじり夏はすぎ去り それぞれの秋

たしか去年の初夏の頃
届いた一通の手紙には
旅好きなあいつのおふくろから
痛々しいほどの細い文字
ある雨の朝 見知らぬ町で
自ら命を終えたと
母に残した一行の言葉
悲しみだけが人生

今も忘れられないのは あいつの口ぐせ
人は自分の死に場所を捜すために生きる

ささやかに 生きている友達の
人生とは 一体何んだろう
あざやかに死んだ 友達の
人生とは、一体何んだろう
夢、散りじり夏はすぎ去り それぞれの秋

今では二人の思い出も 忘れかけるほどの毎日
ふと立ちどまる道端に 悲しいほど赤い落日

夢、散りじり夏はすぎ去り それぞれの秋
夢、散りじり夏はすぎ去り それぞれの秋


25.狂った果実

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

ひとしきり 肩濡らした冬の雨
泥をはねて行き過ぎる車
追いかけて喧嘩でもしてみたら
少しぐらい心もまぎれる

狂った果実には 青空は似合わない
家を出たあの時の 母のふるえる声は
今でも耳に響いてる 低く高く

ポケットで折れていたハイライト
おかしくて吸う気にもなれず
かじりかけの林檎をただ思い切り
投げつける都会の闇に

許してくれなんて言えない今の俺には
ナイフすてたこの手で 回すダイヤルの音
せめてもう一度刻みたい 声がある

生まれてきたことを 悔んでないけれど
幸福に暮らすには 時代は冷たすぎた
中途半端でなけりゃ 生きられない それが今

狂った果実にも 見る夢はあるけれど
どうせ絵空事なら いっそ黙ってしまおう
せめてこの胸が裂けるまで
Silence is Truth!


26.LIBRA-右の心と左の心-

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

Touch 君の胸に届けと歌い続ける Woo───
Touch 君と過ごす最後の夜かもしれない
右の心は闘いに 向かえと叫び続ける
左の心は寂しさに 震えて動けない
Treason To My Heart
It's Revolution 2つの心

Touch 俺の胸にその手で触れてみないか Woo───
Touch 俺は歌う明日のことなど知らない
右の心は明日へと ひたすら走り続ける
左の心は昨日への 想いに縛られて
Treason To My Heart
It's Revolution 2つの心

Cry ゆれる心 炎と氷の中で
Cry ゆれる心 炎と氷の中で


27.エスピオナージ

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

Fade Away 足音が冷たくこだまして
凍りつく落日に別離の口づけ
Espionage 悲しき運命
Espionage 命は風に吹かれるまま

Fade Away いくつかの恋もしたけれど
目の前の幸福に心も揺れたけど
Espionage 悲しき運命
Espionage 命は風に吹かれるまま

Every Day All Over The World
Every Night All Over The World
拳銃を胸に握りしめたまま
夜空に祈り続けた

Fade Away この街が最後の街だろう
Fade Away 消えてゆく男に赤いバラ

Fade Away 紫にけむる霧の中
耳につく秒針の時を刻む音
Espionage 悲しき運命
Espionage いつかは異国の土になる

Fade Away 脇腹をえぐる熱い風
目の前のガス燈が遠く消えてゆく
Espionage 悲しき運命
Espionage いつかは異国の土になる

Every Day All Over The World
Every Night All Over The World
愛を忘れた素振りをしながら
仮面の下で泣いてた

Fade Away この街が最後の街だろう
Fade Away 消えてゆく男に赤いバラ

Espionage 悲しき運命
Espionage いつかは異国の土になる

Fade Away この街が最後の街だろう
Fade Away 消えてゆく男に赤いバラ


28.BURAI

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

無頼なれ君よ 心震わす日の為に
無頼なれ君よ 君が君でいる為に

最後の煙草には
俺に火をつけさせてくれ
思い出の街を出る君への花むけに
親友と呼ばれて過ごした学生時代
二人で駆け抜けた反抗の遠い夏

振り向かず歩き始めた君の背に
コートの内側で
そっと十字をきった時
街は静かに 街は静かに
泣いていた

無頼なれ君よ 心震わす日の為に
無頼なれ君よ 君が君でいる為に

それぞれの旨に流れていく淋しさと
過ごしてきた日々への
誇りをしまい込んで
君が別れにくれた
古ぼけたこのライターで
青春の地図を燃やして
星屑の街に投げた

振り向かず歩き始めた君の背中に
コートの内側で
さっと十字をきった時
街は静かに 街は静かに
泣いていた

無頼なれ君よ 心震わす日の為に
無頼なれ君よ 君が君でいる為に
無頼なれ君よ 心震わす日の為に
無頼なれ君よ 君が君でいる為に
無頼なれ君よ 心震わす日の為に
無頼なれ君よ 君が君でいる為に
All right


29.さよならD.J.

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

真夜中のD.J.耳を傾けていた
あの頃それだけが楽しみだった
ラジオから流れた 新しい生き方に
素直にうなずいて夢を重ねた
朝焼けがやがて街を ぼんやりと浮かび上がらせ
たいくつな毎日に 僕をいざなう
さよならD.J. さよならD.J.
苦めのコーヒー ひと口飲んだら
人混みの中の一人になるよ

朝のラッシュアワーを 肩をぶつけながらゆく
大勢のその中の 僕は一人さ
ラジオから遠ざかり 日々の暮らしの追われ
時々思い出す あの日の夢
会社への道の途中 喫茶店で聞いた歌
あの頃のラジオから流れた歌
さよならD.J. さよならD.J.
あの時憧れた新しい生き方
僕はやっぱり 出来ないみたいだ

さよならD.J. さよならD.J.
学生時代の友達もいつか
ちりぢりのままに 時は流れた

さよならD.J. さよならD.J.
ふるいラジオから 流れるニュースは
新しいけれど 何も変わらない


30.ライトハウス

作詞:谷村新司
作曲:堀内孝雄

俺達と言える歓び 迷いながら過ぎた日々
気づかなかった 遠い一筋の光
一人で泳ぎ続けてた 希望という夜の海
溺れそうになりながら いつも何か捜してた

青春はまばゆいほどの
光だけの日々じゃない

絶望の海にライトハウス
勇気こそが永遠に消えないもの

出逢いが奇跡の始まり 別れさえも再会も
あの日の空に 遠い一筋の光
君を憎んだことさえ 若さゆえの思い込み
真昼の海じゃみえない まして目を閉じたままじゃ

青春はまばゆいほどの
光だけの日々じゃない

絶望の海にライトハウス
勇気こそが永遠に消えないもの

自由に溜息をつきながら
少年はやがて 大人になってしまうけど

青春は嵐の海に
泳ぎ出す強さのこと

絶望の海にライトハウス
出逢いこそが永遠に消えないもの